宮城の松阪牛

 良いニュースがありました。

 今年の、「第62回松阪肉牛共進会」(=牛のコンクールのこと)で大震災の被災地・宮城県登米市ご出身の畑敬四郎さんが、「優秀賞一席」を獲得したそうです。

 畑さんは、津波で同級生が行方不明になったことから、被災地支援を決意、既に宮城県の仔牛市場からたくさん仔牛を仕入れてこられましたが、今回「一席」獲得牛の売却代金2.010万円が得られますので、さらに宮城からの仕入れを増やす御考えだそうです。

 東北の産物を仕入れる、という方法はベストの支援法ですね。素晴らしいことです。

 ところで、登米市ご出身の方が「一席」を獲得、と聞いて「?」と思った方もおいででしょう。私も、そうでした。

 今回初めて知りましたが、実は畑さんは登米市の養豚農家の子で、家業を継ぐために、東京へ畜産を学びに来たところ、松阪の肉牛農家の娘さん(=つまり今の奥様)と御縁が出来て、そちらに男の兄弟がいなかったことから、婿入りを決めたのだそうです。

 弊店でも、この方の義父さんが育てた、畑家の牛を仕入れたことがありますが、婿さんの代になってからは、まだ買っていませんでした。

 20歳で婿に来て、6年目の一昨年には「一席」を既に獲っていて、今年が2度目の「一席」獲得です。天晴れなことです。

 弊店でも、今後応援したいと思いますが、こう有名になってしまうと、牛の値段は高くなるでしょうね。そこが難しいところです。

 最後に、めでたくないニュースも一つ。

・・・今回の「共進会」で「一席」牛(=畑さんの牛)の売却価格は2.010万円で昨年並みでしたが、平均価格の方は1頭当たり250万円でした。

 この水準は前年より75万円安く、BSE問題が深刻だった2001年の252万円より落ち込みました。牛の放射線量の「全頭検査」の体制が出来たにも関わらず、まだ消費マインドが回復していないことを示しています。

 弊ブログの読者の皆様におかれましては、牛は放射線もBSEも「全頭検査」をしていて、最も安全な食材であることを、あらためて御理解いただき、また出来ましたら、周囲のお友達にも御吹聴いただきたく、お願い申し上げます。敬白。

追伸

 12/29-12/31の三日間、「ちんや」精肉売店の店頭は、正月用のお肉をお求めの方で、大変混雑いたします。長時間行列していただくことになると思いますので、時間の余裕を持って、防寒対策をしていただきました上で、お出かけ願います。(肉の予約は、12/28で終了させていただきました。)

 年始は元日だけお休みをいただき、2日より通常営業いたします。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて667日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
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