クーポン
クーポンというものは以前からありますが、爆発的に使われるようになったのは、グルメサイトが普及してからのことだと思います。
グルメサイトは一種の広告ですから、広告としての効果測定をしないといけません。そのための方法としてクーポンが盛んに使われるようになりました。
客は、クーポンをパソコンからプリントして、飲食店へ持って行くだけで、「生ビール一杯サービス」とかサービスを受けられますから、当然そうします。店の側はと申しますと、そのクーポンを貯めておいて、その枚数を数えて、そのグルメサイトが良く見られているかどうか確認するわけです。
目的が効果測定ですから、クーポンを行使できるハードルは、限りなく低くないといけません。
プリントして持っていくだけで、「生ビール一杯」なら、メチャメチャ簡単ですから、皆が使います。それで当座の目的を果たすことができますね。安直なクーポンが巷にあふれている理由は、そこです。
最近、そのハードルがまた低くなりました。理由は、スマフォの普及です。
スマフォでグルメサイトを見る人が多くなりましたが、スマフォにはプリンターがつながっていませんから、それでは困りますね。
だから、プリントすることすら省略し、クーポンが掲載されているスマフォの画面を、店で定員に見せれば、それでOKということになりました。
でも、それって、いくらなんでも、ハードル低すぎじゃないですかね。
それに、ですよ、変だと思いますよ。その見せてる様子が。
水戸黄門みたいです。
控えおろう!このクーポンが目に入らぬかあー?
へへえ〜
ていうような感じで店員が平伏させられていますが、江戸時代の侍みたいに、心底から副将軍様に心服しているとは思えません。
内心は、ちぇ! またクーポンの客か。がめついなあ。
とか思っているに違いありません。
普通に皆さんがやっていることですので、この様子を「変だ」というのは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも粋ではありませんね、私に言わせれば。
文化的でも無いと思います。
だから、文化的なクーポンを作ろう、と今思案しています。
すき焼き川柳を一句ひねって持参して下さったら、何かサービスがあるとか、そんなのどうでしょうね?
追伸
毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて648日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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