一人前

 本日は、鷲神社の「酉の市」の日です。是非お出かけいただき、浅草の冬の風情をお楽しみ下さい。夜中の12時までやっています。さて、

 最近料理屋の会合に出ますと、

 一人前注文して下さらない御客様が多い!(怒!)

という嘆き・ボヤキを耳にします。

 実際、鰻屋に入って鰻を食べず、天婦羅屋に入って天麩羅を食べず、枝豆とか適当な酒肴を取るだけの人が結構いるのだそうです。驚きです。

 料理屋の商売は面積商売ですので、売上を産むはずの席が、一人前注文して下さらない人に占領されるのは、当然イタいことです。

 この状況、なんとかならないものか、と皆さんが言い募りますが・・・

 無理でしょうね。

 私自身も、忘年会が終わった後、仲間ともう少し話したくて、二次会でチェーンの居酒屋に行った時は、一人前注文しないと思います。

 だから、両方同じ料理屋じゃないか、なんで一人前ずつ注文できる料理屋と、一人前ずつ注文できない料理屋が存在するんだ、おかしいじゃん。一人前の注文を強制する権利なんて無いはずだけど。

という意見に有効に反論できないのが悔しいところです。

 どうやら、そういう場合の注文の仕方が、居酒屋だけでなくて、全体の標準に成ってしまっているようです。入り口にパソコンを置いておいて、「一人前ずつ注文します」というボタンをクリックしないと中へ入れないようにしておかない限り無理でしょうね。

 でも面積のことは、この際置いておきます。それよりも・・・

 お客様は、自分の店の料理を楽しみにいらして⇒おなかを減らしてきて下さるはずだ、という気持ちが裏切られることの、気持ちの面でのダメージの方が痛いです。

 鰻屋の店員に向かって、

 今日は、おなかが空いてないから、鰻は要らないんだ!

と言い放つことは、カノジョとデートするために会っておいて、

 今日は、キミと色々話したりするような気分じゃあないんだ!

と言い放つようなもんです。

 じゃあ、なんでここに来たのよ?! アタシだってヒマじゃあないのよ。さようなら。

と言われても仕方ないと思いますよ。

 この話しを、権利・義務とか、そういう発想で捕らえると、とても虚しいと思います。

追伸①

 11/17(木)放送の、NHKの番組「ブラタモリ」で「ちんや」が紹介されます。

 と言っても、すき焼きの話ではなくて狆の話し。今回のテーマは「江戸の動物」なのです。私も撮影されましたが、果たしてオンエアされるのか・・・

 放送時間は、午後10時からです。

追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて621日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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