厨BO

 浅草料理飲食業組合の皆さんと一緒に「厨BO」を訪ねました。

 「厨BO」と申しますのは、東京ガスさんが、飲食業界用の商談のために、広い敷地に最新式の厨房設備を備え、口舌爽やかなコンパオニオンのお姐さんを配置した、それは素晴らしいショールームです。

 一時は東京電力さんの「オール電化」攻勢で、東ガスさんは劣勢にまわっていましたが、フクシマの悲劇が追い風になって、このショールームも賑わっているように見えました。

 まず、ガスと電力とエネルギー効率を比較した数字や、味覚テストの数字などをビデオで勉強し⇒お姐さんの案内で「涼厨(スズチュウ)」を実現する設備などを見学⇒その後ガスで調理した料理を頂戴しました。

 この日見学した設備は、眩しく素晴らしいものばかりでした。特にガスの裸火を覆って、そこから出る排気を配管で逃がすことによって、厨房の温度を7-10℃下げることに成功した設備=それを「涼厨」と言うのだそうですが、これには感心しました。

 これまでIH厨房が涼しいのに対してガス厨房は暑い、というのがガスの弱点だったわけで、そこを克服したわけですから、今後は東電さんも大変でしょう。

 ただ、私個人はと申しますと、この日テンションは低め。ガスをたくさん使う、佃煮用の大きい回転釜を去年買ってしまったため、今のところ商談がありません。

 それより気になったのは、壁に貼ってあった、明治初期の都市ガス計画の図面です。

 明治初期、ガスは当時の文明の最先端の技術でした。そのガスを、東ガス本社のある金杉橋から、新橋・銀座・日本橋を経由して浅草橋まで配管しよう、というのが、この図面です。現在の中央通り・江戸通りを縦断する大規模な計画です。

 たかが図面ではありますが、手書きの図面なものですから、なんだか、文明の先端の仕事に取り組むのだ!という壮気が画面から感じられ、見ていて心躍ります。

 これを見ていたら、さしあたって商談したくない私にも、東ガスの社員さんが近寄って来たので、この図面をネタにして煙に巻くことにしました。

 いやあ、東ガスさんも、料理屋相手にチマチマとガス売るより、瓦斯灯を100本くらい、浅草に建ててくれませんか?!風情が出て良いと思うんですけど。

と私が言うと、やはり御店の改築を終えたばかりで、商談のないTさんも参戦。

 いいねえ、それ!瓦斯灯100本なら浅草として大歓迎ですよ。そう言えば、ウチの店のある「合羽橋本通り」は、景観を良くするために、電線を全部地下に埋めるんですよ。そこに建てましょう、100本。

 ほほお。っていうことは「東電は地下で、東ガスは地上!」ってことですね。いいんじゃないですか、今時。

・・・ちとブラックでしたかね、ジョークが。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて611日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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