正月は大儲け
1/7には、浅草観光連盟・浅草商店連合会・浅草観音奉賛会の合同新年会がありました。
新年会に出たりいたしますと、
いやあ、住吉さん、正月は大儲けなんでしょ、いいねえ、羨ましいよ!
などと言われたりします。
たしかに損はしておりませんから、儲けてはいますが、大儲けとまではいきません。
そんなの、ウソだろ!大儲けに違いない!と思った方は、冷静に考えてみて下さい。
そもそも飲食店というのは、お客様に店の中に入っていただいて、一定の時間をかけて食事をしていただいて、それで初めて売上げが立つものです。食事をしていただくには席が必要であって、その席は、正月だからといって急に増えません。
大勢のお客様が押し寄せて来たとしても、席数以上に受け入れることは出来ませんから、後は結局、お断りする結果になります。断った分は売上ゼロですよね。
今の御時勢で、毎年見えていただいている方がお支払いになる単価は、確実に下がっていますので、席数が増やせないのであれば、売上げも確実に減ります。忙しさは同じで、売上は減るのです。
冷静に考えてみれば、忙しそうな様子であっても、それがイーコール大儲けでないことがわかると思います。
では、そういう状況の中で、売上を増やすにはどうしたら、良いのでしょう。
①正月だけ、単価の安いメニューの販売を中止する。
⇒これを簡単に実行できると思っていただくと困ります。
電話で、予約したい日を言わずに「料理はいくらからありますか」と問い合わせ、いったん切ってから、また後であらためて、日を指定して予約をする方がおいでですが、そういう予約の仕方をした方の場合、安い価格のメニューがあるのだ、と信じてご来店になります。当然、トラブルの元になりますね。
「安いメニューがあるって聞いたから来たのに困るじゃないか。どうしてくれる!」っていう経験した方が多いのでしょう。頻繁に聞かれます・・・
「正月は「正月メニュー」なんですよね?!高いんでしょう?!」って。弊店は違うんですけどね。
②正月だけ利用時間を短くする。
⇒これも簡単に実行できると思っていただくと困ります。
お客様は遅刻をなさることがあるからです。弊店では、1回のご利用時間を2時間30分と決めさせていただいていますが、これなら30分遅刻をされても、まだ2時間あります。だから「まだ2時間あるので、ゆっくりなさって下さい」と申すことができます。
でも、もし「2時間制」と決めた場合に、お客様が30分遅刻をなさると、もう困りますよね。1時間30分で食べていただかないといけません。担当スタッフとしては、「お次が控えてるんだぞ」「早く食べてくれ」「終わったら帰ってくれ」という気分になってしまい、険悪ですね。
要するに、正月だからと言って、飲食店は画期的に儲けることは出来ないのです。
「外には人がいっぱい歩いているんだから、単価の高い客だけ上手く選べば、大儲けのハズなのに、それが出来なくて悔しい!」
「予約の客が遅刻してきて、そのクセ単価の安い物しか注文せず、さらに、そのクセいつまでも長居して悔しい!早く帰ってくれ!」
って、思わないようにするには、特別な心がけが必要です。正月とは、そういう心がけが必要な時季なのです。
洋物をお取り扱いの方にとっては、クリスマスが浅草の正月に相当するようですが、その洋物関係の方に、先日、心がけを教えていただきました。
私がツイッターでフォローしている、「洋菓子舗ウエスト」さんのアカウント@yogashihowestに、去年のクリスマスの頃、次のようなツイートが出ました・・・
「クリスマスになると先代社長の言葉が思い出されます。「洋菓子屋にとってクリスマスはお客様に恩返しをするときだから、儲けようなどと思っちゃいけない。とにかく損得抜きで精一杯美味しいものを作って美味けりゃまた一年ご贔屓にしてもらえる。まずけりゃ?それでおしまい。」
私が存じ上げているのは現社長のY田さんで、先代社長の、この話しは初耳でしたが、Y田さんの、品質に大真面目な姿勢は、こういうところから来ているのだなあ、と感心&納得しました。
メッポウ良い話しと思い、今年の正月は、日に一度この文章を読むようにしていました。
こちらにとっては「繁忙期」でも、お客様にとって、年に一度の楽しい食事の機会ですからね。「美味けりゃまた一年ご贔屓にしてもらえる」と信じたいところです。
♪はやく〜過ぎ去れ〜お正月♪(小学校唱歌「お正月」、作:住吉廉太郎)
追伸①
上に綺麗ごとを書きましたが、この御時勢で、営業時間を延ばしたこともご報告いたします。その分、スタッフの疲労度が上がりますから、ミステイクにつながる懸念はあります、勿論。「成人の日」の3連休が終わるまで、気はぬけません。
♪はやく〜過ぎ去れ〜お正月♪(小学校唱歌「お正月」、作:住吉廉太郎)
追伸②
1/8は大相撲・東京場所の、初日の前日ですので、「呼び出し衆」の皆さんが、興業の宣伝のため、「ちんや」を訪問されます。当店3階ステージ上にて、初日の取り組み力士名を読み上げられますので、いあわせたお客様にも、ご観覧いただきます。
到着時刻は3時前後で、所要時間は1〜2分です。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて314日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。
Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。
No comments yet.