試食
「ちんや」再開業に向けて、最初の試食会をしました。
もちろん、状況が変わっても同じ味が出せるか、の確認です。
新しいスタッフの方々には、努力していただいて上質の食材を集めていただきとても心強く思いましたが、残念ながら配慮が及んでいなかった食材が一つありました。
それは牛脂です。
鍋で加熱した時に
・融(と)け方が悪く(=融点が低く)
・揮発してくる香りの量も種類も乏しかったです。
肉とは別の牛さんから採れた牛脂だったかもしれません。
なるべく肉と同じ個体の、脂を手配するべきでした。
旧「ちんや」では、店内に「適サシ肉」の規格を通った肉に付いていた牛脂しか存在していませんでしたから、ああいう牛脂がテーブルにのることはなかったのですが、
今は「ちんや」のキッチンがなく、問屋さんに頼んで特別に手配したので、こういう結果になったと思います。
以前は定期的に肉の試食会をしていましたが、
そこにあの牛脂が出たら、皆異変に気づいて、「ストップ!ストップ!」と試食が中断になったと思います。
その位に「外れ」の牛脂でした。
「外れ」の牛脂を使うと、どうなるのか、
鍋としてのまとまり、あるいは一体感がなくなり、単なる食材の寄せ集めになってしまいます。
(*そもそも、すき焼きは、断じて、食材の寄せ集めではないです)
肉からも脂は融け出しますが、肉を長時間煮込むことはできないので、やはり牛脂が重要です。
使っている肉と同等以上の牛さんから採れた脂を使わないと、鍋の一体感が出来上がらないのです。
今後新店に関わるの皆さんには、
・牛脂の重要性を認識していただく
・牛脂を加熱しただけで、体感で良否が分かるよう、感性を磨く
の2点にご留意いただけたら幸いと思います。
(私自身は、四か月現場を離れていたのに牛脂の異変にすぐ気づけたで、今回自分自身に対して少し安堵しました)
引き続き、再開業準備に努めてまいります。
追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。
2022年3月18日に、浅草花川戸「金泉ビル」(台東区花川戸2丁目16-1)で再開させていただきます。
すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。
「株式会社 WDI」さんとの御縁により、私の当初の見込みより早めに再開できることとなり、嬉しく思っております。
新店舗には旧店舗のスタッフも、私も従事致しますし、旧店舗の調度品を持ち込みますので、味や雰囲気を保てるものと考えております。
今後詳細が決まり次第順次こちらのサイトにて公開してまいります。ご期待いただけましたら幸いです。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.320本目の投稿でした。
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