接待を伴う飲食店

「接待を伴う飲食店」って何だ?
と思っている方は多いと思います。
コイケさんが言う「ステップ3」でも、この「接待を伴う飲食店」は休業させられるとか。その「接待を伴う飲食店」って、何でしょうか?
分かりづらい理由は、「接待」という言葉の意味が、普通の世間での意味と、「風適法」上の意味とで違うからです。
普通の世間で「接待」と言った場合、
・ビジネスマンが取引先のビジネスマンと会食して、その食事代金を負担すること。
・ビジネスマンが取引先のビジネスマンとゴルフして、そのプレイ代金を負担すること。
をイメージすると思います。が、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」略して「風適法」で言う「接待」は違います。「風適法」では、
「歓楽的雰囲気を醸し出すことにより人々をもてなすこと」を「接待行為」と呼んでいまして、具体的には、
1)談笑・お酌
2)踊り・ダンス
3)歌唱・カラオケ
4)遊戯
はい、「談笑」も「接待」です。
店のスタッフが注文されたフードやドリンクを受け渡す際に、世間話をする程度だったら「接待」には当たりませんが、特定のお客様の横に長時間居座り、談笑やお酌することは「接待行為」になり、「風適法」の営業許可を獲っていない店のスタッフが、この「接待行為」をした場合は警察により摘発されます。
ご存知でしたか?
この「風適法」の営業許可を、銀座のクラブや歌舞伎町のキャバクラは獲っているので「接待」をしても良く、つまりは「風適法」の営業許可を獲っている店が「接待を伴う飲食店」だと思ってもらえば、ほぼ間違いはないと思います。
そういう店でコロナのクラスターが発生したケースがあり、しかもそういう店の客は、保健所の調査に対して、店に行ったことを隠すので、衛生当局は敵視しているというわけです。
ビジネスマンが取引先のビジネスマンと会食するような店が悪いわけではないです。お間違いなきよう、お願い致します。
ついでに申しますと、この件で一つ困ったことがありまして、それは芸者衆が出演する料亭も「風適法」の規制下にあるという点です。
芸者衆が踊り終わった後、客席にやって来て、談笑・お酌をする場合がありますが、店のスタッフだけでなくて、店が外部委託した人の場合も「風適法」の「接待」に当たるので規制されるのです。
料亭が「風適法」の規制から外れるようにして欲しいという要望を、だいぶ以前から料理業界が出しているのですが、その要望が通らない内にコロナ禍を迎えてしまいました。
和の文化を遺すため、至急制度改正をしていただきたいと思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.738本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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