金花糖博覧会

第1回全国金花糖博覧会が浅草公会堂で開催されていて、旧知の「まんねん堂」さんが主催していますので、拝見してきました。
「金花糖」(きんかとう)は砂糖細工の一種で、鯛や猫などを型どった木型に、煮詰めた砂糖を流し込んで固め、彩色するというものです。砂糖だと知らない人が見れば、単に小さい人形だと思うかもです。そういう可愛い人形達や、製造工程や歴史を解説する資料が、24日まで展示されています。
元々駄菓子問屋だった「まんねん堂」鈴木さんが金花糖を手掛けるようになったのは、ここ数年のことです。浅草柴崎町(合羽橋道具街の近く)にあった、東京最後の金花糖業者さんが廃業し、その木型を譲り受けたのがスタートでした。
元々は南蛮菓子だった金花糖は長崎街道(シュガーロード)を通って、各地に伝わり、金沢・新潟など北陸では大名家に献上されるなど、地域の食文化として欠かせないものになりました。
江戸へも伝わり、近代に入ると、東京ではぐっと庶民的な感じになりました。その工房が集積していたのが浅草柴崎町でした。
しかし私が子供の頃、浅草の駄菓子屋さんに、もう金花糖はありませんでした。繊細な作業工程が機械化・大量生産に合わず、どんどん廃業。今世紀に入ると、東京では全滅してしまいました。
そんな中、木型を譲り受け、金花糖再生を志したのが鈴木さんです。
木型はあっても、造り方が良くわかりませんから、鈴木さんは、生き残っている各地の金花糖業者さんを訪ね歩いて教えを請い、その過程で出来た各地の業者さんとのネットワークが、今回の全国博覧会につながりました。GJです。
会場では一般の方も参加して、無地の砂糖人形に色を付けるコンテストが開催されていました。審査員は、なんと落語の林家たい平さん。鈴木さんの壮挙を応援するため、駆けつけてくれたとか。素晴らしいです。
皆様も、ご見物を。24日まで。時間は11時-17時です。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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