一頭買い
昨年末は、このブログが中断致しまして、皆様にご心配をおかけしましたが、おかげ様にて大晦日に再開することができまして、そこから本日まで一か月連続更新することができました。また、その間年末年始の繁忙期も大過なく営業することができました。あらためて心より御礼申し上げます。さて、
とあるご取材で「一頭買い」の話しをしてみました。すぐにはピンと来ない様子でしたが、段々理解して下さると良いと思います。
「一頭買い(いっとうがい)」とは、文字通り、飲食店や小売り店が牛さん一頭の肉全部仕入れることを言います。
食肉市場では基本的に一頭単位で取り引きされているので、問屋さんは必ず一頭買うわけですが、その肉の行き先が問題です。一頭全部を街場の飲食店一軒が全部引き取っているかと申しますと、それはかなり珍しいことでして、牛さんの一部の部位だけを仕入れるレストランさんが多いと思います。ステーキ屋さんはサーロインとフィレしか使わないことが多いので、当然そこしか仕入れません。
そんな中で弊店が一頭買いをしている理由はなんでしょう?それは細かい注文をつけたいからです。
皆さんご存じの通り、私は「適サシ肉宣言」をしていますので、そういう牛さんしか買いませんが、そういう細かい注文をしておいて、「フィレしか要らない」とか注文したら問屋さんは、それ以外の部位を売り捌くために、四苦八苦しなければいけないわけで、ご迷惑なご注文になってしまいます。受けてもらえないでしょう。
だから、宣言に書いたような細かい条件をつけるなら、一頭丸ごと買ってあげないといけないわけです。
また、保管上の取り扱いについても、
2週間は脱骨せず丸のままで熟成させて欲しいとか、弊店からの希望があるので、それをやっていただくためには、一頭丸ごと弊店のものでないといけません。
このように、「一頭買い」は味に直結することがらなんですが、どうも、言葉は取引上の細かい話しに聞こえるのか、一般の方に話してみても、ピンとこないことが多いようです。
弊ブログの読者の皆さんは、どうぞ、御記憶下さい。
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