着物警察
毎年成人式の前後になると、「着物警察」を批判する声があがります。昨年は「ハレノヒ」事件がありましたから、なおさらです。
曰く、「着物警察」が「新たなライトユーザーの新規参入をつぶす役割」を担っているとか。
「着物警察」とは勿論、年配の、着物に詳しい女性のことで、若い子が着物で歩いているのを見つけると、アカの他人なのに、
「帯締めの位置がおかしいでしょ」とか、
「今の季節に着る着物じゃないわよ」とか、
「それって、ポリエステル製なのかしら?」とか言ってくるそうな。
おそらく既存の着物業界で着付け教師として働いている方々なのでしょう。文化を護りたいという過剰な使命感から、そういう言動をするのだろうと思います。
まあ、たしかに嫌なヤツであることは事実ですが、そうした「警察」が日本の着物産業を滅ぼすとまで言うと言い過ぎかと思います。
そして、もう一点私には気になることがあるのです、「着物警察」批判に続けて、浅草や祇園の「コスプレ着物」礼賛が続くことです。礼賛のポイントは、
・着物をファストファッション化させた。
・レンタルすわなち共有経済の発想を採り入れた。
・外国人という超ライトな客を取り込んだ。
はい、まあ、そうなんですどねえ、そうした誉め言葉を並べている方は、コスプレ着物店の経営者の多くが外国人だと知ったら、どういう気分になるんでしょうか?ツーリストが母国を出る前に、コスプレの予約をとっている模様です。送迎の白タクのドライバーも、その国の人。
着物らしきものが着られていることは結構かもしれませんが、収益が国外に流れています。
コスプレ礼賛派の方は、伝統産業で外国人が成功をおさめることまで愉快なんでしょうか。素晴らしく寛容なことで、どこかの大統領に聞かせてやりたいものです。
私は、と申しますと、二者の中間ですかねえ。
「着物警察」と「コスプレ着物」の間の、いい感じの商いは無いのかなあ・・・と思ってしまいます。
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