松下さん
3月9日のことでした。新聞の全面広告に、浅草雷門でテープカットする故松下幸之助氏の大きな写真が掲載されました。
この写真は1960年の写真です。幸之助氏は1865年(慶応元年)に火災で焼失して、そのままになっていた雷門の再建を請け負い、それが完成した時の写真が、これです。
パナソニックさんは今年創業100周年ですが、その内の58年間は浅草と浅からぬご縁が続いた、ということになります。
門の再建だけでなく、パナソニックさんは、10年おきに行われる大提灯の張り替え費用も負担してきました。提灯の下の部分に付いている「松下電器」の銘板はずっと同じもので、社名がパナソニックに変わっても、創業者以来の縁に配慮して、今も使われ続けています。
リーマンショックの頃パナソニックさんが、この大提灯の張り替えから撤退するかも・・・という噂が飛び交いました。会社名も変わったし、もう「松下さん」じゃないんだねえ、と浅草の人達は嘆ぎましたが、結局撤退は実行されず、100年を迎えました。
この全面広告を見て、多くの浅草の人たちが安堵したと思います。
おりしも同日地元・門真で「パナソニックミュージアム」が開館したそうです。
創業者の高い志や、数多の後進の熱き思いを未来に伝承したいという思いから開館する、と聞きます。
社名も変わり、業態はグルーバル企業に成ってはいるものの、この会社さんは「老舗」と言っても良いように思います。これから日本人はだんだん近代が老舗になる様子を目撃していくことになるのだと思います。
100周年誠にお芽出とうございます。
追伸
「食楽web」~美食と酒の悦楽探求webマガジン にお採り上げいただきました。
文は松本壮平さんです。ありがとうございます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.935連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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