長寿企業の知恵③

ネットTV番組『Story 〜長寿企業の知恵〜』に出演させていただきました。

この番組は、創業100年を超える老舗企業の経営者をゲストに招き、長寿企業の経営者が持つ知恵や理念、思いを語る、というものですが、思いがけず好評で嬉しく思っています。

こちらのURLで今でも視聴可能ですなのですが、全長50分と少々長いし、そもそも動画は音が出せる環境でないとダメなので、文字情報が欲しいというご要望をいただきました。以下に公開してまいります。

(長いので15日に分けてUPしています。今日は、その3日目です)

 

<ナレーション>ここからは、各テーマを基にすき焼きちんや6代目・住吉史彦の言葉から、長寿の知恵に迫る…。最初のテーマは「創業の精神」「すき焼きちんや」が誇る137年間という長い歴史に一体どのような物語が隠されているのか。

石田「『創業の精神』という事ですき焼きちんやの、『歴史』現在に至るまでの経緯を伺えますか?」

住吉「創業は江戸時代まで遡り、元々は大名や豪商に犬の『狆(ちん)』をはじめとした愛玩動物を卸す、いわばペットショップでした。「浅草筋」という良い血統を持っていたらしく、おそらく儲かっていたと思います。一風変わったこの“店名”はそれに由来しています。明治13年に料理屋に転じ、そして明治36年に現在の『すき焼き専門店』になりますが、店名を変えずに来ています。」   

朝岡「ペットショップから、なぜ『すき焼き専門店』へ?」

住吉「明治維新により、庶民の旅行が自由になったこと、また肉食も許されて、「これからは飲食業がいいのでは」ということで転じたようです、と言えば聞こえが良いですが、要するには、狆が儲からなくなったのだと思います。転業の理由を書いた書類がありませんので、想像するのみですが、犬の趣味が変わったことが大きいのでは、と私は思っています。天下泰平の江戸時代には可愛いペットが愛されました。特に狆を飼うのはお旗本の奥方とかでしたから、狆は、少し言いづらいですが、「女イメージ」「軟弱イメージ」の犬でした。ところが、続く幕末・明治は戦争や政争が続く騒乱の時代ですから、世の中の犬の趣味が変わりました。上野の西郷さんは犬を連れていますが、狆ですか?違いますね。西郷さんは猟犬を連れて、野山を歩き回るのが趣味だったようですが、そういうワイルドな世相の時代に狆は可愛い過ぎで、かつ旧時代のイメージに見られたと思います。要するに、時代が変わって、商売としての「狆屋」の将来性が脅かされましたから、手前どもの御先祖は、狆を捨てて、牛鍋に走ったものと思います。全盛時代の浅草に店を構えているのですから、狆屋をやるより、飲食店の方が儲かると考えたのだと思います、あくまで想像ですが。そんな経緯で、浅草にすき焼き屋が多いのです。」

石田「当時は同じような経緯で『すき焼き店』へ移るケースも多かった?」

住吉「明治10年頃に牛鍋屋の開業ブームがありまして、当時東京府下に488軒もの牛鍋屋があったそうです。その中には、他の商いからの転身組もいただろうと思います。」

朝岡「その決断を下した創業者とはどのような方でしたか?」

住吉「実は、狆屋を料理屋に転換した人物つまり料理屋としての創業者はハッキリと特定できていないんです。『住吉やす子』あるいは『住吉やす』という女性が重要らしいんですが、情報は殆ど残っていません。夫もいたようですが、そちらも活躍した形跡がさらになく、おそらく遊んでいたのでしょう。良い話しではないので詳しいことは伝わっていません。想像するに、生業として、仕方なく料理屋を始めたのではないかと考えています。」

石田「長寿企業であると“創業者”に関する質問も多いのでは?」

住吉「私も以前は店の過去を細かく聞かれるのが苦痛でした。しかし<この続きは、明日のこのブログで>

追伸

Dancyuさんのお誘いにより、本日から

二子玉川髙島屋の催事「第3回 dancyuフェスティバル~dancyu×高島屋 グルメの祭典~」に出店します。もちろん「適サシ肉」を販売しますので、お近くの方、どうぞお立ち寄り下さい。

会場:玉川髙島屋本館6階催場

会期:10月25日(水)→30日(月)

営業時間:午前10時~午後8時

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.797日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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