殿様商売
最近あまり使わなれなくなった言葉に「殿様商売」があります。
「殿様商売」とは「大辞林」によれば、
「鷹揚に構えて商売上の工夫などもせず、利益にあまりこだわらない商売のやり方を軽蔑していう語」です。
私の経験では、店の営業時間が短いことを批判する場合に良く使われていたと思います。夜遅い時間の予約を受け付けなかった時に、捨て台詞のように、
「これだから老舗の殿様商売って言われるんだよ!二度とオタクに予約なんかしないからな!」とか言われたものです。
営業中に言われるなら、まだ我慢もしますが、夜の巷でたまたま居合わせた隣客に、店の営業時間を問われて、やはり「それだから老舗の殿様商売って言わるんだよ!」と言われたことも一度や二度ではありませんでした。うるさいよ。
しかし、最近完全に潮目が変わりました。最近では、
短い営業時間
→従業員を大切にする店
→さすがは老舗!
という脈絡が出来上がりつつあり、実に結構だと思っています。
きっかけは勿論、電通の新入社員過労死事件です。
今や店の営業時間が短いことを批判する客は「ブラック客」と見做されます。
電通事件でも「客がブラックだ!」という指摘がありました。広告業界では、金曜の夜に「月曜の朝までにプレゼン書を作り直してくれ!」と言ってくる客が多いことが過労を産む元凶と指摘されました。
そんな思いをして皆が働いているのに、日本の生産性は先進国の最下位水準。
そういう社会に戻してはいけないですよね。
私も、一企業主として、できることはして行きたいと考えています。
追伸①
昨日下記のテレビ番組をご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4月13日20時15分放送済み。
http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/
「霜降り牛肉に異変!?おいしい牛肉の謎」
高級牛肉といえば「霜降りの和牛」。このイメージが覆る事態が!老舗すき焼き店が「霜降りが多いA5の牛肉を使わない」と宣言したのだ。そもそも霜降りの量で格付けを行う動きがでてきたのはアメリカ産牛肉の輸入自由化交渉がきっかけ。肉牛農家では霜降りが入るよう心血を注いできた。それが消費者の健康志向が高まるにつれて「行き過ぎた霜降り」に対する見直しの動きが出始めているという。おいしい牛肉の基準を巡って何が?
【司会】所ジョージ,片山千恵子,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎
追伸②
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.605日連続更新を達成しました。
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