市田邸
「市田邸」で開催された、劇団「疎開サロン」さんの公演を観て来ました。「台東区アートアドバイザー」としてお手伝いしている公演です。
「市田邸」というのは、上野桜木1丁目(=芸大の裏手)に在る古民家です。
明治40年に日本橋で布問屋を営んでいた市田善兵衛の自宅として建てられたもので、国登録有形文化財建造物です。
当初は平屋の建物だったそうですが、大正時代に家族が増えたため増築して、現在は木造2階建て。戦後、市田家の長女・春子さんが、この家を使って下宿経営を始め、芸大音楽部声楽科を中心とした学生が、ここ住み、育っていったそうです。
その後平成13年、下宿経営を止めることになった時、地域や東京芸術大学の有志が集まり、ここを借り受けて、芸術文化活動の拠点として使うことになりました。NPOたいとう歴史都市研究会(「たい歴」)という組織も出来て、「市田邸」の管理は、今はこのNPOがしています。
文化財の活用事例として、私は大変結構なことだと思っています。
「たい歴」さんでは、この家の貸し出しもやっていて、今回の公演は、それです。内外の古典作品を、劇場以外の空間で上演することを続けて来られた「疎開サロン」さんの「牡丹燈籠」(=三遊亭圓朝作の怪談)でした。
いやあ、怪談って、普通の家の狭い空間で聞くと格段に怖いですねえ。殺しの場面では役者さんは、庭を転げ回って大奮闘。
近所の本物のカラスの声も、いい感じのBGMになっていました。
「疎開サロン」の皆さん、お疲れ様でした。
追伸
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.411連続更新を達成しました。
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