櫻川イワンの恋

小説家の三田完先生と御縁が出来まして、先生に戦前の浅草花柳界を舞台にした短編小説が在ったことを知りました。それは

『櫻川イワンの恋』。

先生は2000年に、この作品で第80回オール讀物新人賞を受賞されています。

さて戦前の浅草花柳界で活躍したというのは、主人公の櫻川イワン。モデルはウォーレンさんという実在のロシア人で、数奇な生涯を送った人でした。

ウォーレンさんは、ロシアの軽業師の息子として生まれ、日本巡業中でしたが、そこにロシア革命が起こって、日本にとり残されてしまいます。そしてさらに関東大震災で避難している最中に浅草と縁が出来て、幇間に成ったというから、まったく事実は小説より奇なり、です。

そしてそして幇間と芸者の恋は、絶対にNGだというのに、芸者に惚れてしまい・・・

という展開です。面白いです。

戦前の文物を描く描写力も流石。勉強になりました。ありがとうございました。

出版社: 文藝春秋 (2009/6/25)

ISBN-10: 4163282203

ISBN-13: 978-4163282206

やはり浅草花柳界に実在した「ギター芸者」(モデルは能里枝姐さん)と人気芸人「あきれたぼういず」の交際を描いた短編『ひょうたん池』も同じ御本に収められています。

 

追伸

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.361連続更新を達成しました。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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