激安スキーバス
激安スキーバスで事故を起こした土屋広運転手は中型バスの運転歴が長く、ESP社の採用面接の際に「大型バスは不慣れ」と話していたことが分かっています。
それなのに何故土屋さんは、夜中に雪道を激走するという、働き盛りでもキツい仕事に就かねばならなかったのでしょう?
私は、この事故を「労働市場の失敗」という観点で把握してはどうだろうと思っています。しかし連日解説記事を熟読する中で、未だそういう記事に出会っていません。残念なことだと思っています。
中型と言えば、幼稚園バス、福祉施設のバス、葬儀の際の焼き場への送迎バスを思い浮かべます。高齢の土屋さんにピッタリだと思いませんか?
最近は高齢の顧客を対象に、低速で丁寧に走ることを「売り」にしたタクシー会社がありますから、送迎バスの業界でも、丁寧な走りを大事にする会社が登場してもおかしくない筈です。土屋さんはそういう仕事に就くべきなのに、不本意な激走バスを運転することになりました。そこが悲劇の始まりだと私は考えています。
今回の就職の詳しい事情を、私は知りません。しかし、
スキーバスを激安で走らせたい→激安ドライバーが必要→高齢ドライバーなら安く雇える
という構図を一刻も早く解体しないと同じような事件がまた起きてしまう、ということだけは断言できます。
おそらく唯一の解決策は外国人ドライバーの導入でしょう。
やはり人手不足の業界に身を置く知人の社長は海外にリクルートに行っています。若い子を雇って育ててやがて国に帰すそうです。現地語を必死に学んでおられます。
ESPの社長も激安稼業を続けるなら、そういう努力をすべきだったと私は思います。
もっとも、移民問題は「イスラム国」を造り出しますから、国民全体が「そうまでしてスキーに行きたくはない」という判断を下した場合は、スキーの市場はダウンサイズさせる覚悟をしないといけないでしょう。
最後になりましたが、乗客の学生さん達と、土屋広さんのご冥福をお祈りします。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.163連続更新を達成しました。
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