昭和史
半藤一利さんの『昭和史』を読みました。
「今こそ読み直すべき一冊」という宣伝文句に惹かれて購入したものの、戦前篇、戦後篇を合わせると1.100ページ以上もある長大な御本です。はたして読めるかなあ、と心配しましたが、その心配は杞憂でした。
この御本の元は授業形式の「語りおろし」でして、口語体で語られているのです。講談みたいと言っても良いくらいです。
例えば終戦時のアメリカ大統領トルーマンについては、
「・・・トルーマンはミズーリ州出身の田舎のとっつぁんです。戦争中、副大統領の時にルーズベルトが突然死んでそのまま大統領になったものの、実は日本のことなど何も知らず、関心もなかったのです。まして愛情など少しもなく、だから原爆を落としたと言えるところもあるような・・・」
といった調子でして、実に面白く一気に読み切ってしまいました。
読了して、うーむ、と思いましたのは、日本四十年周期説です。
明治維新(1867年)から日露戦争の勝利(1905年)までがおよそ四十年。
日本人特に軍部がこれで慢心して、
日露戦争の勝利(1905年)から太平洋戦争の敗北(1945年)までがまた四十年。
戦後、独立回復(1952年)からバブル経済の絶頂(1992年)までがまたまた四十年。
またまたこれで日本人は慢心して「日本の失われた時代」の現在へ。
この説に従えば、2032年あたりまで日本は浮かばれないということになります。
うーむ。
ちなみに、この本に浅草が登場したのは、
1945.3.10の大空襲の件と、
戦後1947年に六区のロック座がストリップ・ショウを始めた件の2件でした。
追伸
慶應義塾の機関誌『三田評論』の10月号に出演させていただきました。
『三田評論』には毎月「三人閑談」といって、三人の卒業生が対談するコーナーがあるのですが、今月のテーマが「和牛を食す」で、そこに入れていただいた次第です。
『三田評論』は基本的には定期購読者のみが読む本ですが、紀伊國屋書店の新宿本店で小売りしているそうですから、ご興味のある方はどうぞお求めください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.071連続更新を達成しました。
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