寒いは旨い
寒いですね。
どのようにお過ごしですか?
お葬式に参列し、お浄めに呼ばれますと、
ここのところ葬式が続くねえ・・・という声が聞こえてきます。生き物にはきびしい季節です。
では、この季節に人間以外の生き物はどのように過ごしているのでしょうか。
人間には暖房もコートも燗酒もありますが、動物の対抗手段と言えば、
自分の体に脂肪を付けること、です。
昨今、人間社会では脂肪と言えば成人病の素としか考えられないようですが、脂肪には別の側面もあります。
「脂肪のカロリーは9kcal/gであり、炭水化物、タンパク質の4kcal/gよりも単位重量あたりの熱量が大きく、動物の栄養の摂取や貯蔵方法として多く利用されている」
というのは、脂肪を栄養貯蔵の手段として考えた見方ですが、脂肪の存在意義はそれだけではありません。
・外傷から臓器を守る
・体温の外部発散を防ぐ
という機能もあります。
寒い時季には、この体温を保つ機能が大事になってくるわけです。
寒いから、生き物は生命力を発揮して、寒さに負けない体を作ろうとするわけで、大変申し訳ないことながら、人間は、そういう時季の動物の命をいただいて食べさせていただきます。
「いただきます」とは、まさにこのことですね。
この「いただきます」という言葉は、英語に該当する言葉が見当たらないので、是非そのままItadaki-mas!を世界語にしたいと私は思うのですが、そのことは今日はさて置きまして、
実際、この時季の牛は美味しいです。北方で育った牛ならなおさらです。
「大寒卵」が美味しいのも同じ理由です。
このことを私は、
寒いは旨い。
と表現させていただいています。
食べないと寿命が縮みますよ(笑い)
追伸
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.802日連続更新を達成しました。
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