蝶のたはむれ
久しぶりに藤山新太郎師匠の手妻を観ました。
手妻(てづま)とは伝統的な日本の奇術のことで、藤山さんは、それを継承する数少ないマジシャンです。拝見しましたのは、成田市の鰻屋「菊屋」のご子息の結婚披露宴で観て以来です。
藤山さんは気さくな方ですが、実は偉い方です。1988年、1994年、1998年と文化庁芸術祭賞大賞を受賞しています。三度の受賞は、この賞で初とか。豊富な経験から奇術を論じた本も多数出しておられます。
さて、その日の手妻の会場は「神田の家」。神田明神の隣に在ります。
元々は江戸時代より神田で材木商を営んできた遠藤家が昭和2年に建てた店舗併住宅だったそうです。2009年に文化財として指定を受け⇒神田明神の隣に移築されたそうです。
建物そのものに勿論風格がありますが、数々の調度品も、その材料・仕様に至るまで職人の技が光っています。
その会場に藤山さんが紋付袴の正装で登場。いつもの得意芸=「お椀と玉」「蝶のたはむれ」などを披露。
「蝶のたはむれ」は以前広い会場で観たことがありますが、古民家の狭い空間で観ると、かなり感覚が違い、手妻がまさに手の稲妻=手で為す芸なのだ、ということが分かります。
しかし、それ以上に面白かったのが、藤山さんのトーク。
滅びる寸前だった手妻を継承したものの、仕事が無くて、西洋マジックで食いつないでいた日々のことをカラリと語ります。
そして「蝶のたはむれ」の裏には、生き物の一生=生の歓びと苦しみが在るのであって、こんなマジックは世界のどこにもない、と。
良いものですね、手妻。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は366人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.327日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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