社会的意識の高い飲食店

最近海外の記者さんからの取材が入ることがあります。オリンピックの関連でしょうか。
今回はシンガポールの方でしたが、滞日3年半で日本にくわしくなっているのは凄いです。
【取材テーマ】社会的意識の高い飲食店の取り組みについて
と着眼点で面白いので、ご紹介します。
【質問事項】
Q1.他のすき焼きレストランとは一線を画す貴社の取り組みと、その取り組みを始めた理由について教えてください(適さし肉宣言、 肉のフォーティエイト など)
A1.それは、こちら↓をご覧ください。(やや長いです)
http://chinya-blog.com/?m=20170610
Q2.環境活動家が牛肉の生産が環境に悪影響を及ぼすという主張や、小泉環境相が「毎日でもステーキを食べたい」と言ったことに対する批判がありました。貴社の取り組みが、環境への影響をどのように減らすことができるか、お話しを伺いたい。
A2.系列のレストラン「ちんや亭」で肉の少量メニューを提供しています。「食べ放題」の対極として必要な分だけ食べる習慣が定着したら良いと思います。
Q3.貴社の取り組みが、利益/収益/人気/顧客レビューに与える影響はどの程度ありますか?また、業界のトレンドやコミュニティに影響を与える上で、この対策はどれほど効果的だと思われますか?
A3.適サシ肉宣言の件は2017年に50回以上メデイアに採り上げられました。入店客数が30%以上増えた月もありました。その割には口コミサイトに大きな変化はありませんでした。収益は、高いA5等級を仕入れませんから、当然改善しました。
Q4.「適さし肉宣言」や「肉のフォーティエイト」などの取り組みは、近年の取引において、貴社の競争力を維持するのにどのように役立っていますか?
A4.お客様が店を選び易くなったと思っています。そして自分の好みの店に確実に行けるのですから当然満足度が高まり、再来店していただける可能性が高まります。
ご満足のいく回答だと良いのですが・・・

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.562本目の投稿でした。

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完食

今月のある日同期生がご高齢のお父さまと一緒に来店してくれました。
1965年生まれの私の同期ですから、今年で54歳。その御父上ですから、かなり高齢です。
無事お食事いただいて翌日、
「最近、食が細くなりつつある父が、おいしいおいしいと完食してくれました。」と御礼のメールが来ました。
ブログをやっているとこういうことが記録できます。
在り難いですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.559本目の投稿でした。

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アクションプログラム

「東商オリンピック・パラリンピック アクションプログラム」の一環だとかで、東京駐在の外国人記者の方々が東京の魅力に触れるツアーが開催されました。
在り難いことに、その一部に「ちんや」も選ばれまして、商工会議所本部の方が外人さん達を連れてみえました。
なんでも、この活動には「4つの柱」なるものがあるそうです。
・東京のホスピタリティを世界に発信する
・地域の魅力・文化を世界に発信する
・中小企業の底力を世界に発信する
・2020年大会に向けて、東京が抱える課題を解決する
それに「ちんや」が該当するかは分かりませんが、とりあえず、すき焼きだけは自信がありますから、食べていただきました。
加えて、ご主人も何か話してくれと申します。明治以来のすき焼きの歴史などを話させていただきました。
大勢様でご来店、ありがとうございました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.500本目の投稿でした。

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デジタル回線

昨今は通信がデジタル化されましたので、電話の着信履歴で先方さんのお立場が分かることがあります。
先方の使っている回線がアナログだと何も表示されません。ご自宅の固定電話から発信した場合、そうなることが多いです。
一方お店の回線の場合、ネットを使えるようにしていることが多いので、たいていはデジタル回線で、その番号が表示されます。で、それを検索にかけてみると、料理屋さんであることが分かったりします。
すき焼き屋さんだったりもします。
横浜の「荒井屋牛鍋店」さんとは、この方法で知り合い、今では荒井さんは「すきや連」に毎回に参加して下さります。
もちろん、先方がウチの店においでの間は、部屋に押しかけたり、名刺を突き出したりはしないです。名乗らずに視察に見えているのに、そういうことをしたら不快に感じられるかもしれないからですね。
後日手紙を送ったり、こちらから名を名乗って食べに行ったり、というようにしています。
先日も、有名なすき焼き屋さんの方が見えました。お店のサイトを見たら、肉のこだわりのことが縷々書かれていて、私の趣味に、結構、近いです。
今のところ、お迎えして、お見送りしただけで、それ以上は話していませんが、いずれ御縁があったら良いなと思います。

猛暑

御年86歳の常連さん、
なぜか毎年真夏に見える。
猛暑は大丈夫でしたか?とお尋ねすると、
はい、夏でもゴルフをやりますよ!
だって。
恐れ入りました。

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老舗食堂

「老舗食堂」というサイトを発見しました。
約100年経過している老舗の訪問記を載せているサイトのようで、「株式会社ひまじん」の代表取締役という方が書いておいでです。東京中心ではありますが、全国468店舗を巡り、毎日2本のペースで記事を上げておいでだというからスゴいことです。
「ちんや」のことは、今年の5月8日に上げて下さり、
「最高以外の言葉がない」
「ちんやさん、美味しいかったのは当然として、レトロなお店の雰囲気、細かく感じる高級感、おもてなしの心含めて最高で、いい老舗ってこういうお店だよなぁ、と良い体験が出来て本当に幸せな気分になれました。気軽にうかがえるお値段でないけれど、また行きたいなぁと思える良店でした。」
と書いて下さいました。
誠に恐縮です。今後ともよろしくお願い申し上げます。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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食べ物屋

「老舗企業に学ぶ」勉強会を主催している方が「ちんや」へ見えて雑談していたのですが、
老舗には食べ物屋さんが多いですねえ・・・
その方が開いた老舗イベントに登場した会社の半分以上が食べ物屋で、酒・薬・旅館まで加えると三分の二を超えているとか。
はい、私もそう思っておりました。そして2016年に出した拙著『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』で、「食べ物商売は老舗化し易い稼業」と書きましたが、その理由を深く洞察して書いたわけではありませんでした。何故でしょう?
浅草の飲食店の場合、正月やお彼岸、お盆などに家族総出で、浅草へ見えるお客様が多いですから、お爺ちゃん・お婆ちゃんとお孫さんが一緒に食事します。→で、「こういうのが美味しいんだ!」という味覚が継承されて行きますから、お爺ちゃん・お婆ちゃんが亡くなっても、次の世代が利用してくれます。そうした経緯で老舗化し易いと言えます。
食品製造業や食品小売業の場合も飲食店ほどではないですが、ご家庭で同時に食べるという場面が考えられますね。消費サイドから考えた場合に食べ物屋が老舗化し易い理由が、これです。次に供給サイドを観てみましょう。
店主が採算を度外視して、美味しい物を追い求めてしまう、ということがあるように思います。食べ物の味は脳の快楽に直結しているからです。
私自身も、自分がイマイチと感じる肉を同席した人が美味しい!美味しい!と食べているのを目にすると、肉についてあれこれ調べない方がむしろ良いのかなあ・・・と思ったりしますが、自分が美味しいと思えない肉を売るのはイヤです。
そして、味を追い求めていると、ある時点で美味しさは感動につながります。感動まですれば、そのお店を再訪していただける確率は高まりますね。
しかしながら、どの時点で、どの位美味しければ人が感動するのか良く分かりません。肉の中の旨味成分を計測したデータは結構豊富にありますが、どの数値が「感動の閾値」なのかは、今のところ分かりません。
だからこそ、食べ物屋の店主は、お客様の表情を観察して、充分美味しかったかを確認しないといけません。また、会社の経営理念の内容を即物的な内容にせず、心に関する文言を採り入れないといけないと思います。
弊社は「心に残る思い出を!」という一文で「思い出」を入れています。数値がハッキリしない以上、「思い出」になる味でないと不充分、という基準を設けることが実際的と思うからです。
食べ物の味を追い求めて行くと、ある時点で人を感動させることが出来る、それが食べ物屋が老舗化し易い理由かと私は思います。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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食品衛生コンサルティング

東京食品技術研究所さんに、「ちんや」の厨房を立ち入り指導していただきました。毎年来ていただくようになって、20年以上経つと思います。
東京食品技術研究所さんは、微生物検査、水質検査などの他に「食品衛生コンサルティング事業」もしていて、食品衛生に関して経験豊富なスタッフの方が現場に来て、指導して下さいます。スタッフの方は保健所OBの方が多いので、この御指導をいただいておけば、だいたいOKとなります。
また衛生講習会もして下さるので、今回の立ち入りについてのレポートが出来る頃に講習会でまた来ていただくことになります。
今後は衛生自主管理がきびしくなって行く情勢ですので、今まで以上に真剣に取り組む必要がありそうです。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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秘訣②

昨日の「秘訣」の話しの続きです。
老舗の取材をしたいと色々な方が見えます。
139年店が続いた「秘訣」を言え、と。
そんなこと分かれば誰も苦労はしないと思うのですが、お答えしています。
割り下の味が大事なのは当然ですが、それだけでなく、すき焼き屋の場合、割り下と具材のバランスが大事です。具材とはもちろん肉ですね。
まず昨日申しました通り、
・割り下の味を多くのお客様の舌が認知していること
が極めて重要です。浅草は20世紀に、関東大震災、太平洋戦争、1970年代の衰退と3回の危機を経験しましたが、どの場合でも復興できたのは、味を支持してくれるお客様がいて下さったからだと思います。
しかも、その「お客様」とは、一世代の特定の方ではありません。
お爺さま、お婆さま、お父様、お母さま、お孫さん
と家族ぐるみで複数世代にわたって、「ちんや」の味を認知して下さっている方がおいいで、全体を「お客様」と言っています。
だから、お爺さま・お婆さまが、もし亡くなっても、次の世代の方が、お正月・お彼岸などの機会に見えて下さるのです。味を変えるということは、その方々のご期待を裏切ることになります。その方々に対して、来ないでいいよ、と言うも同然ですね。
だから、割り下の味を、そう簡単には変えられないのですが、ここで困るのは、具材の質が変わると、割り下が同じでも鍋全体の味が変わってしまう、ということです。
そして、実際、平成の30年間に、肉の質が変わりました。
平成時代に経済性を重視する生産方法(短期肥育)が広まった結果、融け方が悪い脂の付いた肉が増えてしまいました。融け方が悪い=脂の融点が低い=食べるとモタれる、という図式ですね。
その結果、以前より仕入れを厳格にやって行かないと、こちらに合う肉が買えなくなりました。
で、私は2017年に「適サシ肉宣言」を、さらに今年「肉のフォーティエイト宣言」をして、仕入れの基準を明確化しました。
すき焼きの場合、味だけ守っていてもダメだという話しです。
「秘訣」という感覚ではないですけどね。
こうしないと、以前から見えているお客様に違和感を与えてしまうので、そうしている、という感覚です。ご参考にならず、すみません。

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秘訣

老舗の取材をしたいと色々な方が見えます。
139年店が続いた「秘訣」を言え、と。
そんなこと分かれば誰も苦労はしないと思うのですが、お答えしますと、
・割り下の味を守ること
は当然大事です。
関西の出汁文化に対して、関東はタレ文化と言われますが、そこがポイントであることは当然です。
が、それだけでは足りないと思います。
・その割り下の味を多くのお客様の舌が認知していること
が極めて重要です。ここは技術というより、マーケティングの話しになるのかもしれませんが、多くのお客様が、「ちんや」の味を覚えていて下さることが極めて重要です。
浅草は20世紀に、関東大震災、太平洋戦争、1970年代の衰退と3回の危機を経験しましたが、どの場合でも復興できたのは、店を支持してくれるお客様がいて下さったからだと思います。
さらに申せば、その「お客様」とは、一世代の特定の方ではありません。
お爺さま、お婆さま、お父様、お母さま、お孫さん
と家族ぐるみで複数世代にわたって、「ちんや」の味を認知して下さっている方がおいいで、全体を「お客様」と言っています。
だから、お爺さま・お婆さまが、もし亡くなっても、次の世代の方が、お正月・お彼岸などの機会に見えて下さるのです。
よく質問をいただくのは、
世間の味覚の変化に合わせて、「ちんや」さんも味を変えますか?
という質問です。
世代を超えて味を認知してくれているお客様がいないのであれば、味を変える手もあるかもしれません。
しかし、世代交代しても同じ味を支持して下さる方がおいでなのであれば、味を変えるということは、その方々のご期待を裏切ることになります。その方々に対して、来ないでいいよ、と言うも同然ですね。
世間の味覚の変化に合わせて、味を変えますか?
という質問は、その店に世代を超えた支持者がいないことを前提にした質問で、質問者の理解の浅さが、それですぐ分かるのですが、まあ、そこは面と向かっては言わないことにして、ブログに書くようにしています。悪しからず。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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