逆転の発想

美味しい卵の生産者・オークリッチさんと開催した節分イベントでは、参加者の皆さんに赤ワインをすき焼きに合わせる方法もお教えしました。
すき焼きは醤油を使った肉料理だから赤ワインが合うはずと思いきや、なんとも合わないのは、生卵を使っているからです。
赤ワインは鶏卵だけでなく、生の魚卵にも合いません。合わないと決まっているのです。
ですので、鶏卵に合う赤ワインを探すのは、難儀です。
だったら、卵を加工してしまえば良い!
というのが私の、逆転の発想でして、
ヨーグルト卵を使ったすき焼きはワインに合う!
ということを参加者の皆様に確認していただきました。
卵をヨーグルトに入れるとワインにあうようになる理屈は、18年11月3日の弊ブログに書きました通りです。
その理屈に従えば、「赤ワイン」と言っても、「マロラクティック発酵」をしている赤ワインだけが合うはずですから、そこを確認する為、あえて「マロラクティック発酵」をしていないボジョレー・ヌーヴォーも用意して比べていただきました。皆さん、11月15日以外にヌーヴォーを飲むのは変な気分だったようですが、ヌーヴォーは11月15日に飲むと別に決まっているわけじゃありませんよ。
さて、飲み比べの結果ですが、皆さん見事に、ヌーヴォーばかりを飲み残し、一方「マロラクティック発酵」した普通のワインは飲み干してくれまして、実験(?)はまずまず成功と言えそうです。
このヨーグルト卵を赤ワインは、引き続きお勧めして行こうと思います。

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青草

対談していて、自分が入院した時のことを思いだしました。
節分イベントで、美味しい卵の生産者「㈱オークリッチ」代表・富樫直樹さんと対談したのですが、鶏たちの腸内フローラを整えるのに、青草を与えることが必要だと富樫さんはおっしゃったのです。富樫さんの鶏たちは、青草に殺到するように食べるとか。それが必要だと本能的に気づいているからでしょう。
私は昨年11月に例の一件で1週間ほど入院するハメになったのですが、その時私も生野菜を食べたくて仕方ありませんでした。
病院食に野菜が入っていなかったわけではありません。むしろ煮物などに豊富に入っていたと思います。しかし、生野菜を食べたくて仕方ありませんでした。
食事に野菜が入っていても、それらは皆、圧力調理されて、いったん冷凍され、喫食直前に加熱されて提供されていました。野菜というより「元野菜」という感じなのです。それだけでは満足できませんでした。
養鶏業界では、人間界よりずっと前から腸内フローラが重要だと言われていたそうで、乳酸菌などを主成分とする醗酵飼料が試されていたそうですが、結果は、それだけでは不充分で、富樫さんの結論は青草それも、できれば自然の山野で育ったものが良いとか。鶏たちが食べる様子を観て、そう確信したそうです。
生野菜は食品衛生上の不安がありますから、現代の大量給食の現場では、どんどん脇に追いやられています。結果、普通の人が普通の社会で病院食のようなものを食べる時代になっています。
せめて、ご家庭では、生野菜をたくさん食べることをお勧めいたします。

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クラシック音楽

節分イベントで、美味しい卵の生産者「㈱オークリッチ」代表・富樫直樹さんと対談しました。オークリッチさんの理念と取り組みは、実にご立派です。
「鶏の持つチカラを引き出す」ために、
・放し飼いで飼育する
・遺伝子組み換えでない穀物飼料を使う
・発酵飼料と山野草などの青草を積極的に与える
・水と空気と土と光を十分に与える
などに実行しておられ、また、
・鶏舎にクラシック音楽を流す
そうな。この部分が気になったので、対談の中で、どういう音楽が尋ねてみたところ、富樫さんの返事は、
やはりモーツァルトですかねえ。ダメだったのは日本の演歌です。演歌をかけると明らかに鶏の落ち着きがなくなるんです。
ほお、そうでしたか。でも富樫さん、「イグノーベル賞」ではヴェルディのオペラ「椿姫」が効くと書かれていますよ。
「椿姫」が効くと書かれているのは、2013年の「イグノーベル医学賞」の論文なのですが、その賞を獲得したのは、日本人の新見正則さんでした。新見さんの文を引用しますと、
「心臓を移植したマウスは、免疫の拒絶反応によって平均7日間で死んでしまいますが、ヴェルディのオペラ「椿姫」を聴かせたところ、生存期間が平均で40日間にまで延びました。次に長かったのがモーツアルトで、平均20日間でした。エンヤの歌では平均11日でした。ほかにも英語のリスニングCD、工事現場の音、周波数音などでも実験しましたが生存期間には変化は見られませんでした。音楽が効果的でした。」
富樫さんの鶏舎は、新潟県村上市の日本海に面した場所にあり、強風で砕けた波飛沫が大量に降り注ぐような場所にあります。
私が鶏さんだったら、そんな寒い場所で落ち着いてモーツァルトを聞けないと思いますねえ。
今度、ヴェルディや、ワグナーとかも試してはいかがでしょうか?テンション騰がると思いますけど。

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節分イベント

節分、世間は恵方巻で忙しかったようですが、弊店では卵のイベントを致しました。
史上初の(笑い)、
「卵を食べるための、すき焼き会」でした。「卵を食べるため」ですから、肉は「二の次」のすき焼き会です(笑)。
<「大寒卵」とは>
この時季は、卵を食べるには最高の時季です。卵の「旬」と言っても良いと思います。その理由は極寒の気候に耐えて、鶏が必死に卵を産むからです。一年で一番パワーがのった卵を食べて、「寒いは旨い」を体感していただけると存じます。
風水では、「大寒」の日に産まれた卵を食べると、その年の金運が上昇すると申しますが、あながち根拠の無い話しでもないのです。2019年に開業や投資を予定している皆様は、きっとご利益があると思います。
この会でご提供申し上げた卵は、特に寒い環境で産まれた卵。新潟県の最北端・村上市の、日本海に面した鶏舎で産まれた「大寒卵」です。
目の前が海なので、その鶏舎の中にはいつも汐風が吹き抜けます。特に冬の日本海は毎日のように荒れた海になりますので、鶏舎には強風で砕けた波飛沫が大量に降り注ぎます。そうした特に厳しい環境から届いた卵を召し上がっていただきました。
<生産者「㈱オークリッチ」さん>
今回の卵が素晴らしいのは、自然環境だけによるものではありません。生産者である「㈱オークリッチ」代表・富樫直樹(とがし・なおき)さんの理念と取り組みは、実にご立派です。
「鶏の持つチカラを引き出す」ために、
・放し飼いで飼育する
・遺伝子組み換えでない穀物飼料を使う
・発酵飼料と山野草などの青草を積極的に与える
・水と空気と土と光を十分に与える
といった手法を採用なさっています。
ありがたいことに当日は、富樫さんご本人が「ちんや」に来店されましたので、直接説明をお聞きいただきました。
「大寒卵」も、特定の日に獲れた卵を珍重するのですから、一見、恵方巻やバレンタインチョコ、ボジョーヌーボー、クリスマスケーキといった記念日商法に似ていなくもありません。
が、違うところもありまして、
・美味しい根拠がある。
・特定の日に獲れたものであって、特定の日に消費するものではないので、フードロスの問題は発生しない。
インチキな「恵方巻」の日に、あえて硬い催しをやるのは、なかなか痛快な気分でした。

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大寒凍み豆腐

しつこく検索していると、面白いことを知ったりします。
日に三度、毎日朝昼晩とニュースサイトに「すき焼き」と入れて検索しているのですが、今月20日つまり「大寒」の日に見つけたのは、
「酸ケ湯凍み豆腐」づくりのニュースでした。読み方は、
「すかゆ・しみどうふ」。
青森市の酸ケ湯温泉は、日本一の豪雪地帯として天気予報によく出てくるので、ご存知の方は多いと思いますが、その酸ケ湯温泉で「凍み豆腐」をつくっているのだそうです。
「凍み豆腐」とは、冷たい風に豆腐をさらし、水分を抜いた豆腐です。夜間豆腐が凍結、昼になって気温が上がると氷が融けて流れ出て行き、それで濃縮された豆腐が出来るというわけです。
同じものを関西では「高野豆腐」と言っていて、そちらの方が知名度がありますか、ね。東北では「凍み豆腐」と言い、山形・福島・茨城北部が知られていますが、酸ヶ湯のものも「八甲田の冬の風物詩」なんだそうです。不勉強で存じませんでした。
「東奥日報」によりますと、
「屋外に設置したワイヤにつるされた2300丁の豆腐が寒風にさらされ、真冬ならではの壮観な風景が広がった。」
「同温泉従業員の山形太郎さん(45)は、すき焼きや鍋に入れると最高においしい。今回が平成最後の凍み豆腐作りとなったが、新しい時代になっても変わらぬ味を皆さんに届けたいと話した。」
この「すき焼き」の文字が検索されて私が発見した次第です。
「ちんや」では、ここ数年「大寒」に日に産まれた「大寒卵」を売っていますが、「大寒凍み豆腐」も良いですね。
しつこく検索していると、面白いことを知ったりします。

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IWC

昨年末のニュースですが、日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退、という件がありました。
そんな折、日本に行けば鯨が食えると思ったのでしょうか、知人から、
外国人が来ていて、浅草で鯨を食べたいと言っているのだけど、店を知らないか?
という問い合わせがありました。
はい、浅草では、どじょう屋さんが鯨を出しています。
どじょう屋が鯨を出すというのは不思議な感じがしますが、「駒形どぜう」さんによりますと、
「今から180余年前、二代目がどじょうが一番小さい魚なら、一番大きな魚を売ってみたいと考えて、大阪より鯨を買入れ売始めました」そうな。
なるほど、最小と最大だったのですね。
「どぜう飯田屋」さんにも「さらしクジラ」というメニューがあります。
これは鯨を湯引きして脂肪を落として冷水でさらしたもので、白くて軽くやわらかいです。
味付けは酢味噌。酒肴ですね。
シーシェパードに見つからぬよう、お召し上がりください。

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卵を食べるための、すき焼き会

「大寒卵」~ここ数年「ちんや」精肉売店で販売している件は、9日の弊ブログに書きましたが、今年はそれだけでなく、お座敷の方でもイベントをしようと思います。そう、史上初の(笑い)、
「卵を食べるための、すき焼き会」を開催いたします。「卵を食べるため」ですから、肉は「二の次」のすき焼き会です(笑)。

<「大寒卵」とは>
この時季は、卵を食べるには最高の時季です。卵の「旬」と言っても良いと思います。その理由は極寒の気候に耐えて、鶏が必死に卵を産むからです。一年で一番パワーがのった卵を食べて、「寒いは旨い」を体感していただけると存じます。

風水では、「大寒」の日に産まれた卵を食べると、その年の金運が上昇すると申しますが、あながち根拠の無い話しでもないのです。2019年に開業や投資を予定している皆様は、是非是非この会にご参加いただき、「大寒卵」ですき焼きをご賞味下さいませ。

この会でご提供申し上げる卵は、特に寒い環境で産まれた卵。新潟県の最北端・村上市の、日本海に面した鶏舎で産まれた「大寒卵」です。
目の前が海なので、その鶏舎の中にはいつも汐風が吹き抜けます。特に冬の日本海は毎日のように荒れた海になりますので、鶏舎には強風で砕けた波飛沫が大量に降り注ぎます。そうした特に厳しい環境から届いた卵を召し上がっていただきます。

<生産者「㈱オークリッチ」さん>
今回の卵が素晴らしいのは、自然環境だけによるものではありません。生産者である「㈱オークリッチ」代表・富樫直樹(とがし・なおき)さんの理念と取り組みは、実にご立派です。

「鶏の持つチカラを引き出す」ために、
・放し飼いで飼育する
・遺伝子組み換えでない穀物飼料を使う
・発酵飼料と山野草などの青草を積極的に与える
・水と空気と土と光を十分に与える
といった手法を採用なさっています。
当日は、富樫さんご本人が「ちんや」に来店されますので、直接説明をお聞きいただき、富樫さんのお人柄にも触れていただきたいと存じます。

<おまけの企画=すき焼きにワインを合わせる>
もう一点。この会にはおまけがあります=すき焼きにワインを上手に合わせる方法をお教えします。
すき焼きは、ワインを合わせづらい料理として知られていますが、その理由は、実は実は、生卵にワインを合わせづらいからなのです。生イクラや生ウニにワインを合わせづらいのと同じです。
よって、すき焼きにワインを上手に合わせるには、溶き卵を工夫する必要があるのです。

その方法を、ナイショでここでお教えする・・・ワケはないですよね。当日ご参加いただいた方だけにご披露いたします。ご期待下さいませ。

<ご興味がおありの方は>
コメント欄に、氏名・電話番号・メルアドをご記入くださいませ。メールでご案内致します。

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指導

なんだ、そういう指導ができるなら、もっと早くやっておけば良かったと思います。
報道によりますと、「恵方巻き」の販売最盛期を前に、農林水産省は11日、需要に見合った量を販売するようスーパーやコンビニエンスストアなど小売業界7団体に通知した、そうです。
毎年馬鹿馬鹿しく加熱する商戦のせいで、大量のフードロスが生じていて、今や「恵方巻き」は日本のフードロスを象徴する存在になっていますね。
何としても前年より盛り上げようと、近年は高級食材を使ったり、スイーツにしたりと、あの手この手で騒いでいますが、品物が変われば、当然販売数量の見込みが立ちません。それでも販売機会を逃すまいと過剰に発注するものだから、大量のロスが生じているというわけです。
そういう指導ができるなら、もっと早くやっておけば良かったと思います。
それと、もう1点。
この件を報じるメデイアの記事に、
「福を呼ぶとされる、節分の風物詩・恵方巻」
などとあるのが私は大変気になります。
恵方巻は、そのような神聖なものでも伝統的なものではなく、大阪の花柳界での、お大尽遊びの一つでした。それを戦前に鮨業界が利用したものです。
これには諸説あるようですが、ともかくも、そもそもお遊びなのであって、真剣にビジネスとしてやるものではないです。ましてや大量のロスを出すなんて、野暮of野暮です。
コンビニの経営者に、野暮を恥と思う人はいないんでしょうか、ね。

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亥年

さて亥年です。
昨年両国の「ももんじや」さんをお訪ねしましたら、ご主人は、
来年は亥年だから12年に一度のフィーバーですよ。
と言っておられました。
干支でそんなに忙しくなるもんですか?ウチは丑年が来ても全然関係ないですよ。
と申しましたが、亥年はやはり大忙しなんだとか。特に年始はお忙しいそうで、結構なことです。寒さが緩んだら、また伺おうかと思っています。
ところで亥年は、牛肉だけのことではなくて、肉食全体のことを考える気にさせてくれる年です。牛鍋というものは江戸時代の猪鍋の具が変わっただけだからですね。
江戸の外れの、街道筋の町にはたいてい「百獣屋(ももんじや)」という料理屋があり、そちらの方面で獲れた猪などを食べさせていました。当時日本人は幕府の政策で、どこかの寺の檀家になっていたはずですが、肉食は止められなかったようです。だいたいお経って、難しくてゼンゼン分かりませんからね(笑い)
興味深いのは、一口に「肉食」と言っても、家畜と野生では同じ意識ではなかったことです。野生の獣を獲って食べることは、家畜を食べることに比べて罪悪感が小さかったようです。この辺の感覚は現代と逆ですね。
牛さんは田圃で働いてくれていたので、食べることに特に罪悪感が強かったようです。その後御一新により、意識が変わったことは御承知の通りです。
家畜を食べるのと野生を食べるのでは、どちらが罪か?
私は勿論わかりませんから、どちらも感謝して、美味しく食べようと思うのみですね。
南観世音菩薩。

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大寒卵2019

皆様、お寒うございます。
好評につき、「大寒卵」が戻って来ました。
今年の「大寒」は1/20です。風水は、大寒の日に産まれた卵を食べることを勧めているとかで、それを「大寒卵」と言うそうです。
これを、あながち迷信と片づけない方が良いと思います。 寒い時期に産まれた卵は栄養価が高いからです。 大寒は一年で最も寒さが厳しくなる頃です。鶏はその寒さで本能的に産卵数が少なくなりますので、その中でも産まれた卵は、必然的に栄養価が高まります。
風水が面白いのは、それを金運と結びつけたところです。 「大寒の日に産まれた卵を食べると金運が上昇する」と言うのだそうです。 ただ「健康に良い」と言うより、そちらの方がそそられますね。上手いことを考えたもんです。会社の社員さんに一個ずつ配るとかしたら面白いと思います。
さて今年も「ちんや」精肉売店で、この大寒卵を販売します。
寒い所の卵が良いわけですから、特に寒い所=日本海の風雪を浴びるような所で鶏を育てている養鶏場から卵を取り寄せることにしました。 その養鶏場は、新潟県村上市の「オークリッチ」さん。
既に予約を受け付けていますので、「今年は一旗・・・」と心に決めておいでの方は、どうぞお急ぎ下さい。

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