有名どころとレアものと

「もろみ家」さんに言って来ました。
場所は日本橋室町。メトロ三越前駅から三越の方向には行かず、神田方向へ少し戻った所にあります。
「もろみ家」さんは、酒蔵さんや醤油蔵さんに醸造器具を納めている「北村商店」さんが経営している、酒のお店です。
品揃えと取引関係は完全には一致していないとかですが、客は酒が美味しければよいわけで、そこはスルーしましょうか。
銘柄は有名どころと、マスターが酔狂で仕入れてきた「レアもの」と両方ある感じです。
酒にそんなに詳しくない人が見えた場合には有名銘柄でカバーしておき、酒好きが来て、
何か面白いのはないの?
と聞いてきた場合は「レアもの」が出て来るようです。
世間には「有名銘柄だけ」か「レアものだけ」といったタイプのお店が多いですが、現実的な姿勢は大変結構と申せます。
たくさんいただいちゃいました。
うーい、ひっく。

追伸⓵
東京商工会議所が主催する、第16回「勇気ある経営大賞」において、株式会社ちんやが「奨励賞」を受賞させていただきました。
受賞理由は、
「格付や等級ではなくすき焼きにあった肉の提供に向けた挑戦(適サシ宣言)」でした。
権威ある賞を弊社が受賞できましたのは、ひとえに皆様のご愛顧の賜物とあつく御礼申し上げます。

追伸⓶
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、弊ブログの8月4日号をご覧くださいませ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.139日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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夏野菜セイロ

夏の終わりのある日、「更科堀井」のご主人と話しておりました時のこと、
「ちんや」では溶き卵にヨーグルトを入れますよ!
と申しましたら、
ウチではね、そばつゆにバルサミコ酢を入れるよ!
と、かなり強烈なカウンター・パンチが。
それは「季節のおすすめ種物」として提供されていた「夏野菜セイロ」のことなのだそうです。
温かいおつゆに、茄子、おくら、きくらげ、 ズッキーニ、ミニトマト、ヤングコーン、みょうが、ねぎが入っています。
で、「お好みで生姜とバルサミコ酢を入れてお召し上がりください。」とのオススメが。
なるほど。
野菜の苦みと、生姜の辛味と、酢の酸味をバランスさせるのですねえ。
上手い作戦です。
このブログがUPされる9月には、もう食べられないのですが、
一年中おやりになれば良いのに。

追伸⓵
日本テレビの番組「ヒルナンデス!」に、カットされてなければ、出演させていただく予定です。本日の11時55分~です。ご覧くださいませ。

追伸⓶
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、弊ブログの8月4日号をご覧くださいませ。

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金農フィーバー

金農フィーバーが続いているそうです。
地元の子を集めた県立高校の野球部が甲子園の準優勝まで行った物語が、日本人の判官贔屓精神を目覚めさせたのだと思います。
感動の軌跡を記録した写真集は発刊即売り切れだそうですし、
やや便乗的な波及効果もあるらしく、地元の酒・純米吟醸「ツーアウトフルベース」(山本合名会社)が売れているそうです。
「ツーアウトフルベース」と銘打つからにはヒリヒリする味なんでしょうが、純米吟醸造りでヒリヒリに醸せるなら凄いことです(笑)
私の場合は、ふだん甲子園というものに、ほぼほぼ関心がありませんが、まず母校・慶應高校が出るというので甲子園を視はじめ、そのまま金足農業に興味がシフトして、かつてなく甲子園を視た夏でした。
寄付金が全国から2億円も集まったのは実に結構なことで、そのお金を有効活用して、オールスター・チームのような強豪校をいつか倒して欲しいものだと判官贔屓精神は募りますが、ここで私が気になってしまったのは、
金足農業の他の部活の関係者の人が、寄付金をウチの部にも回して欲しいと主張しているとかいう件です。
うーん。
農業教育に回すなら良いと思いますよ。
でも他の部活は、むしろですね、トーンダウンさせて趣味的な部活にして→ハードな部活は野球だけに絞り→資金を野球に集中的に入れた方が良いのではないでしょうか。
他の部活にも回すって、どこまでも平等がお好きなんですねえ。
なんか、その話しを聞いて急に私は盛り下がり、野球なんて忘れて、またすき焼きブログに戻ろうと思ったのでした。
そういう次第で野球の話しはこれで終わりです。皆様ご機嫌よう。

追伸、
「ちんや」は下記の日程で、遅めの夏休みを頂戴します。ご不便をおかけしますが、ご諒解賜りたく、お願い申し上げます。
夏休み:9月3日(月)から9月6日(木)まで

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江戸の粋

久しぶりに、とんかつ「すぎ田」さんを訪ねました。
今や浅草を代表するとんかつ屋となった「すぎ田」さん、最寄り駅は実は浅草駅ではなくて蔵前駅ですが、私が若い頃は浅草通りにお店がありました。その後蔵前駅に近い現在地に移転したので、ウチから行こうとすると10分ほど歩かないといけないのですが、遠くなっても私にとっては身近なお店さんです。
普段は一人で行って、とんかつ定食を食べることが多いのですが、今回は仲間がいたので、とんかつだけでなく、エビフライ(これが迫力!)、オムレツも頼み、酒など飲みつつ食べました。
とんかつ=独りで一心不乱に食べるもの
というイメージがありますが、それは「孤独のグルメ」の視すぎというもの。仲間とシェアは、どんな料理でも楽しいものです。
ところで今回検索していて、有名グルメ評論家の方が「すぎ田」さんを評した記事をみつけました。
「さらり、粋な、江戸のとんかつ/すぎ田」
と題されています。
「すぎ田」でとんかつが運ばれると、どきりとする。胸が高まって、顔が赤らんでしまう。僕は、こんなに艶が漂うとんかつを、他に知らない。」
「箸をつけずに、しばし眺めていたいほど、皿から色気が立ち上っている。」
私にとって、「すぎ田」さんが最初から標準なので、「これぞまさしく、江戸の粋」と言われると、いささか戸惑ってしまいます。
とんかかつに限らず、何が「粋」かって、本当に分からないです。
よって粋を目指すより、野暮なことをしないようにするのを、当座の目標にした方が良いように思っています。悪しからずです。

追伸、
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、こちらです。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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葱の根

「ちんや」に葱を納めてくれる、葱商の「葱雅」さんが、連日葱の画像をFBにUPしています。ある日の投稿は、
葱の根です!右は太い葱、左は細い葱です!
太い葱の根は太く、細い葱の根は細いです!
根の色の違いは、畑の土の違いです!根の色が違っても味、風味は変わりません!
根から葉に向かう縦の繊維は根の本数と同じなんですよ!
また根の数が多いほど葱の葉の巻も多いです!
全部に「!」が付くところに熱意が溢れていますね。
この投稿の中で一番肝なのは勿論、
根の数が多いほど葱の葉の「巻き」も多いです!
という件です。
すき焼き屋では「巻き」が多いことを在り難く思いますが、「巻き」と根の本数が同じなので、根を観れば、おおよそ中身の予想がつくという話しです。
皆さんも、根付きの葱が売られているのを見かけたら、根の本数を数えてみましょう。

追伸
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、こちらです。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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くらべる日本 東西南北

おかべ・たかしさんの『くらべる』シリーズが好調のようで、また新刊が出ました。
今回は、
『くらべる日本 東西南北』!
『くらべる値段』の時に弊店も載せていただきましたが、この『くらべる』シリーズも景況に入って来た感があります。
イカの塩辛
芋煮
こんにゃく
みたらし団子
納豆
と立て続けに比べていきます。
ソースかつ丼にまで東西(福井と会津若松)があるとは、私は不勉強で存じませんで、大変面白く読みました。食べ物以外の東西も載っています。
当然気になるのは、すき焼きの東西が載っていないことですが、ご本人曰く、
「いつかすき焼きの全国の違いも撮りたいと思っております^^」
そうそう、「すき焼きの東西」は良くテレビでやっていますが、私は東西つまりAかBかだけにすき焼きを単純化して欲しくはないと常々思っていて、おかべさんが「全国」と言われたのを嬉しく感じました。その企画、是非実現させていただきたいものです。
それからおかべさんは、この御本で県単位でモノを考えることは単純過ぎる場合があるとも指摘なさっています。
山形県が置賜VSアンチ置賜で分かれているのは有名ですし、富山県などは県内に東西言語の境い目があります。
そして東京も。下町と山ノ手では、同じ料理でも味が違います。山と下を比較するだけでも充分なネタになるような気がして、お勧めです。このシリーズはまだまだ展開して行けると、私は勝手に考えています。
あ、今回の御本も面白いので、皆様ご購読を。
写真は『くらべる値段』と同じく山出高士さん。
出版社: 東京書籍 (2018/8/1)
ISBN-10: 4487811287
ISBN-13: 978-4487811281
ご購入は、こちらから。

追伸、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
8月14日(火曜、お盆)

追伸➁
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.088日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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夏には「夏純米」とすき焼きを

お暑うございます。この際、
夏には「夏純米」とすき焼きを!
と、いうことで、企画を一つ考えました。
浴衣を着てご来店のお客様に、日本酒「夏純米」グラス一杯(90ml)サービスさせていただきます。
月の井酒造店さん(大洗町)の『夏純米』は、爽やかな香りとサラリとした飲み口が、ついつい癖になる、純米の「生貯蔵酒」です。
「生貯」とは、念のためご説明しますと、搾ったお酒を生のままタンク貯蔵をして、出荷直前に火入れをし、瓶詰して出荷することです。生のまま貯蔵することで、生独特のフレッシュさを残すことができます。
今回、浴衣を着ている方一名様に一杯差し上げます。ご本人がお酒を飲めない場合、お連れ様に譲ってもOKです。 
代替品は、恐縮ですが、ございません。あくまで夏には「夏純米」とすき焼きなんです。
期間は平成30年8月1日(水)から9月2日(日)まで。
「ちんや」お座敷(個室)にて絶賛実施しております。どうぞ、ご利用を。

追伸、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
8月14日(火曜、お盆)

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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納豆にカレー

テレビの散歩番組を視ていたら、「インデラカレー」で知られる「ナイル商会」さんが出ていました。
「インデラカレー」は、インド料理店の草分けである銀座「ナイルレストラン」の初代オーナーと共同で、約65年前に誕生させたという、大変有名なカレー粉の缶詰ですね。
視ていますと、「ナイル」の社長さん、タレントさんを応接間に招き入れて、なんと、
納豆にカレーをかけて下さい!
と強引に勧めていました。
すき焼きの卵にカレーを入れている私としては、聞き捨てなりません。
タレントさん、しばし渋っていましたが、やがて食して、
あ、うん、意外と行けるかも!
実は、私はこれを試したことがあり、まあまあ、と思っておりましたが、これを機会に本格的に相性を調べてみようと思いました。
よし、調べるぞ!と思い、手始めにヤフーでググってみると、
おお、すぐ答えがみつかってしまいました。ちょっと拍子ぬけ。
旧知の「味博士」が既に、カレーと納豆の相性を調べて公表していたのです。
「味博士」と私で行った、すき焼きと日本酒の実験のことは、弊ブログの2014年11月20日号に書きましたので、それをお読みいただくことにして、今回はカレーと納豆です。
博士が開発した「味覚センサーレオ」で両者を計測し、味覚チャートを重ね合わせてみますと、
・味は全く似ていないが、どちらも旨味と塩味が強いという共通点がある
これを、食品同士が「お互いの味の特性を引き立たせているか」という観点でポイントをつけると、
88.3ポイントすなわち「普通以上、おいしい以下」
美味しいと喜んで食べる人いても不思議ではないものの、納豆のねばり、におい、見た目が苦手な人が、「これなら是非!」と思うほどのレベルには行っていない模様です。
うーん、そうですか。
今度、弊社のカレー卵も「味博士」に測定してもらおうかな。

ちなみに「ちんや」は「ナイルレストラン」のナイルさんとも御縁がありまして、くわしくは、こちらです。

追伸、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
8月14日(火曜、お盆)
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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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川の恵み

国際観光日本レストラン協会の例会が、天保8年ご創業の「福寿家」さんで開催されました。
「福寿家」さんが在るのは埼玉県吉川市。江戸川と中川に挟まれた地帯と言った方が分かり易いかもしれません。
徳川家康が江戸に来た頃、関東平野には未だ多数の湿地があり、川の流路も定まっていないところがあったようです。その関東平野を、徳川幕府は「改造」と言っても良いくらい治しました。
一番有名なのは「利根川の東遷」。利根川は、現在の茨城県に流れるようになりました。
「荒川の西遷」もやりました。荒川の治水が昭和までかかった件は最近、弊ブログの7月10日号に書きましたね。
「福寿家」さんが在るのは、その「西遷」する前の元荒川と中川が合流する地点のちょうど対岸。当日は川の向こうに沈み行く夕日が美しく、実に結構な思いをさせていただきました。
あ、そうそう、料理の件も書かないと。
・・・そういう次第で、この地は川魚料理が有名です。
特に吉川は鯰(ナマズ)が有名です。それを天婦羅にしたものと、薩摩揚げのように、挽肉にして揚げたものの両方をいただきました。
鯉の洗いは、酢味噌との相性がオツ。味博士に相性を測定してもらいたい感じです。
そしてそして、鰻。満腹。
先人の、血の滲む努力により関東では洪水に遭うことが少なくなり、現代人は川に関心を持たなくなりましたが、昨今の洪水をキッカケに川に関心を持ち、さらには川魚料理に関心を持てば・・・と私は思います。
そう、埼玉の食の名物と言えば、ガリガリ君ではなく、川魚なのです。
「福寿家」さん、御馳走様でした。

追伸、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
8月14日(火曜、お盆)

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山廃仕込み

会津若松の方々が見えました。
このたび旧知の「末広酒造」新城さんが会津若松観光ビューローの理事長に就かれたのですが、新城さんは会津=浅草の観光ルートを創りたいと言います。会津鉄道・野岩鉄道・東武鉄道を経由して、会津と浅草が直結しているからです。
で、東武・浅草駅で観光キャンペーンをなさるとか。猛暑の最中でしたが、青年部の方も含めて15人ほどの、御一行様でした。
施主が酒蔵のご主人ですから、交流会は当然「酒盛り」となりました。すき焼きには「山廃仕込み」のお酒を燗するのが良いということをあらためて確認致しました。
さて、この「山廃(やまはい)」という言葉ですが、日本酒業界の分かり辛い言葉の代表例と申せましょう。頻繁に使われていますが、どういう味がするのか、どういう理屈でそういう味になるのか、ヒジョーに分かり辛い言葉だと思いますので、ここで何とか、分かり易くしてみたいと思います。
この醸造方法は、国立醸造試験所が明治42年(1909年)に開発しました。それ以前は、蒸した米・麹・水を混ぜ粥状になるまで人力ですりつぶす工程があり、その工程を通称「山卸(やまおろし)」と言っていましたが、それをなくすことに成功したので、「山廃」なのです。
明治以降、日本の醸造業も機械化が進み、精米を機械で行なえるようになったので、「山卸」をして、懸命に米と麹を混ぜ合わせなくても、麹の酵素が米の内部に入り込んで行けるようになりました。
で、醸造試験所が「山卸」した酒と「山廃」した酒の成分比較を行ったところ、大きな差がなく、それならこの工程を廃止しても良かろうという話しになりました。人力で「山卸」をすることは、非常につらい肉体労働だったので、止めましょう、ということになったのです。
その「山廃」という言葉を、現代の酒蔵さんが、自慢たらしくPRに使用しています。
ここが分かり辛い点です。工程を近代化して、伝統製法から離れたことを何故自慢するんでしょう?
蔵元さんは、その後に登場した「速醸」という方法に比べて、伝統的だということを言いたいのです。
「速醸」では工業的に造った、純度の高い乳酸を酒のもとに加えます。
そもそも酵母を増殖させる工程では、乳酸が必要です。乳酸で酒のもとを酸性にして、酵母以外の雑菌を死滅させないと、失敗醸造(「腐造」と言います)になってしまうからですね。
「山廃」は、その「速醸」はやっていないのです。「山卸」は止めましたが、乳酸菌を自分で育てて、その乳酸菌に乳酸を造らせている、という点では、「山廃」以前の伝統製法(=「きもと造り」)と同じなのです。
じゃあ、どういう味がするのか?
テクニカルなことが分かっても、味が分からないと意味がありませんよね。
「山廃」は一言で申しますと、複雑な味がします。
いきなり「人工乳酸」を使って、酵母以外の雑菌を死滅させて、酵母がすくすくと育つようにしますと、シンプルな風合いの日本酒になります。
逆に、自然に蔵の中にいる乳酸菌を培養して、それが雑菌とサバイバルを繰り広げるようにすると、複雑な酒になるのです。乳酸が雑菌を死滅させるまで時間もかかります。
「山廃」は「山卸」は止めていますが、この過程は廃止していないのです。
結果、「山廃」でも伝統製法のような、複雑で濃厚な味の酒ができます。
結局薬局、濃厚な味の料理、例えばすき焼きや乳製品に合わせると良いのですね。芽出度し、芽出度し。
それにしても、もう少し、なんか味をストレートに連想させるような言葉ってないんでしょうか、ね。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.072日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。