無難
「無難」って、褒め言葉ですか?
自分が飲食店をやっていると仮定して、御客様から「無難な店ですね」って言われたら、どう思いますか?
勿論御客様も店の人間に気を遣われますから、面と向かって「無難な店」とは言わないでしょうが、もし言われたとしたら、私は喜びます。
それどころか、褒め言葉だと思います。
だって「難点が無い」んですから。
そもそも、色々な状況で人は店を選ぶのでしょうが、
冒険したくない、とか
失敗したくない、とか
選んでいる最中に嫁さんと喧嘩したくない、とかいう場面が必ずあると思います。
人はそういう場合に、結局「無難な店」を選ぶのだと思います。
店側に立ちますと、もっと何かカッコ良い言葉で、パンフレットやホームページを飾り立てたい衝動を覚えるでしょうが、
ちょっと待てよ。御客様側は、どういう積りで店を選んでいるのだろう?
と考える時間をとってみますると、「無難」がキーワードであることが分かってきます。
でも無難に成るのは、結構難しいですよ。いや、相当難しいです。
クオリテイーが低くて良いわけではなく、常に相当程度高くないといけません。味がいつも同様でないといけないのは当然です。
プラス、雰囲気全体が落ち着いていないといけません。
色々な要素が落ち着いていないとダメで、「色々」には街の空気も含みます。
私の知人で銀座があまり好きでない人がいるのですが、その理由を煎じ詰めて聞きますと、どうやら上昇志向の男女~ギラギラの男と、セクシーなお姐さんが闊歩しているのが、「落ち着かない」と感じるらしいのです。
銀座の老舗の皆さんは、たいてい落ち着きを志向して商売をなさっていますから、やや気の毒ではあるのですが、気持ちとしては分かります。
無難を極めるのも、また一興です。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は366人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.323日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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