すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に⑨

「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただきました。

演題は「すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に」でした。

おかげ様にて募集定員を超えて満員になり、実に恐縮なことでした。

このページでも公開して参りますので、ご笑覧下さい。長いので14回に分けて公開しています。

なお内容は、「法人会」さんが相手ですから、経営者の方向きにアレンジしてございます。

<以下本文>

とにかく、この十数年間は大変な日々でした。

そんな日々が続いておりましたが、人間いつまでも、マイナス志向のことばかりやっていられません。特に私達は、バブル学生の生き残りですから、勢いの在った日本を知っています。

このままじゃ残念だ。このままで良いはずがない。なんとかしたい。

っていう思いが、嵩じて来ました。リーマン・ショックの前辺りから、少しずつ、新しい取り組みを始めましたが、決定打となったのは、やはり今回の大震災です。

とにかく、すき焼き屋が、この世の中で何が出来るかのか、トコトン考えることにしまして、目の前の能率とか、単価とか客層とかは、この際考慮しないようにしました。

だいだいお客様の立場に立ってみれば、スタッフが能率良く働いている店に行きたいわけではないですね。余計なことにも取り組む・例え面倒臭くても取り組むこと、それ自体が差異性あるいは差別化の源ではないのか、そう考えることにしました。

客層というフレームもやめました。

世間には「ウチの客層は〇歳代~△歳代で、年収は×百万円位」とか決めて営業している店が多いようです。イケメンシェフのなんとかさんもそのようですが、私は、そういう考え方を採りません。

「ちんや」は基本的には年配で、年収が多い方が支払いをなさるケースが大半ですが、若い方でも会食の主催者に成ることは、あり得ます。

例えば、今はボーナスの時期で皆さんは払う方だから、イヤな時期と思いますが、貰う方は嬉しいですね。特に就職したばかりの若い方は、「人生初ボーナス」ですから、それでご両親に食事を御馳走する、ということがありまして、それが「若い方が会食の主催者に成る」ケースです。

ですから、「ちんやの客層」は「親孝行をしたい若い方」なんであって、年収が少なくても「客層」です。そう考えるようにしています。

そのように考えることが出来るように成るまで、私は10年以上かかってしまったわけですから、大変な遠回りです。最初からプラス志向の社長さんが聞いたら「なんだかかあ!」という話しを今していることは、百も二百も承知ですが、今日の所は、マイナス志向の経営をしっかり実体験した経営者からのアドバイスとお考えいだだければ、と思います。

さて、マイナス志向もいい加減ウンザリだ、マイナス志向からなんとか抜け出たい、と考える中で、そのシンボルとして出て来た標語が「心に残る思い出を!」でした。

せっかく作りましたので、この標語が全ての働き方の指針に成らないといけません。そう、私達は、すき焼きを売るわけではなく、思い出を売る人間です。ですので、例えば、現場の働き方を一つご紹介してみますが、すき焼きをご提供すること自体と同等に重要な職務としてデジカメ撮影を位置づけています。デジカメ撮影がすき焼きと同等です。

何のことか、少し長くなりますが、ご説明しましょう。既に我々はSNS時代に突入していますね。で、飲食店の現場が今どうなっているか、ですが、飲食店それも上等な料理を提供する店は、当然ながらSNSにUPする格好のネタですから、連日デジカメでカシャカシャする方たちがいます。

フェイスブックなんてものはそもそも・・・

<この話しは長いので14回に分けて公開しています。続きは明日の弊ブログにて。>

追伸①

「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」

~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。

ご購入は、こちらです。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.224日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM
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