すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に
「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただくことになりました。
演題は「すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に」です。
おかげ様にて募集定員を超えて満員になったとかで。実に恐縮なことです。
このページでも公開して参りますので、ご笑覧下さい。長いので14回に分けて公開します。
なお内容は、「法人会」さんが相手ですから、経営者の方向きにアレンジしてございます。
<以下本文>
住吉でございます。ただ今よりすき焼きの話しをさせていただきますが、なんか、今日は「知り合い率」高いっすねえ、河原さん、こんにちは。涌井さんも、どうもありがとうございます。
ねえ、こんな身内のメンバー構成で、果たしてですよ、公益性の高い講演会とは言えるのか!疑問が生じてまいりましたけどもね、存じ上げない方も、ちらほらとはおいでのようですので、はい、私が住吉でございます。一応、真面目に、軽口は無しで国会答弁のように進めたいと思いますので(笑い)、よろしくお願い申し上げます。
そう、真面目にやった方が緊張しないんですよ、ウケようとして滑ると緊張しますからねえ。
え?早く始めろって?はいはい、畏まりました。
では、早速参りますが、今日はですね、最初にすき焼きの歴史の話しを、30分程度時間をとってさせていただきます。そこを押さえていただきませんと、この世の中におけるすき焼きの位置づけというものが分かりませんで、位置づけが出来ませんと、結局経営の話しも出来ませんので、最初の30分は料理業組合の勉強会みたいな話しをします。
ご退屈とは存じますが、どうぞご勘弁いただきたいと思います。
さてまずルーツの話しからです。
いくつか説がございまして、魚介類と野菜を杉の箱に入れて味噌煮にしたから「杉焼き」だとか、農具の鋤の上で焼いたから「鋤焼き」だとか、、肉を剝(す)いて薄くするので「剝き焼き」だという説もありますが、本当にそうした文献上の料理が受けつがれて来て、やがてすき焼きに成ったのか、私はわかりませんし、多分調べようがないですし、正直私はあんまり関心が無いです。それに皆さんも、そういう話しはつまんないですよね、だから「へえ、そういう説があるのね」位にしておいて、先に行きたいと思います。
はい、この部分に興味を抱いていた方には、ゴメンナサイでした。
現代のすき焼きに直結しているのは、江戸の街で密かに営業していた「ももんじ屋」または「ももんじい屋」の料理で、けものの肉を鍋物にして食べさせていたようです。
当然、当時表向き肉食はタブーですから、「薬喰い」と称して、アングラで食べていました。獣の産地は江戸郊外で、農民が害獣である猪や鹿を駆除した時、それを利根川で江戸へ運んでいたそうです。
牛や馬は害獣でなく役にたつ動物ですから、さらにタブー感が強かったはずですが、それでも牛肉・馬肉を食べさせることがあったようです。ここで食べられていた料理が今日のすき焼きの、直接の原型です。
今でも両国で1718年創業の「ももんじや」さんが営業していますね。両国橋を渡ると、すぐ右手のビルの外壁にイノシシが逆さまに吊るしてありますから、行けば「おおっ!」と思うはずですが、あの御店はそうした御店の生き残りです。
で、その「ももんじや」で食べられていた、牛鍋が明治時代になりまして解禁になるのですが、その前に幕末に「プレ解禁」がありました。
「プレ解禁」の原因は言うまでもなく、日本に入って来た外国人の影響です。1859年に横浜が開港しますと、居留地の外国人の需要に応えて、肉を調達する必要が生じました。当時は日本に畜産業がなかったため、農耕作業に使った牛を、退役させて潰して食用にするようになりました。
1864年には横浜に屠牛場が開設され、幕府から公認もされたようです。維新の4年前の話しです。
時に皆さんは15代将軍・徳川慶喜のあだ名をご存知ですか?
<この話しは長いので14回に分けて公開します。続きは明日の弊ブログにて。>
追伸①
「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」
~感涙必須の旨い肉200軒
に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。
ご購入は、こちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.216日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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