ステルベン

ネットの「ネタりか」に「知らないとソンする業界の隠語」という特集が載っていました。

この手のネタが好きなんですよね、私は。

で、早速クリックしてみますと・・・

■寿司屋

「山」ネタ切れ

「兄貴/弟」古いネタ/新しいネタ

山には魚がいないことからネタ切れの意味。

「山」は、寿司屋以外の飲食店でもよく使われているようです。使ってますねえ、「ちんや」でも。

■病院

「エッセン」食事休憩

「ステる」死亡すること

「エッセン」「ステる」ともに、ドイツ語のessen、sterbenに由来します。

医学界は、明治時代にドイツ医学を導入したことから、ドイツ語から来た隠語が多いようですが、「エッセン」じゃあ、そのまんまですから、ドイツ語の分かる人にはすぐバレますねえ。

「ステる」も既に一般人に知られていますから、隠語にならないかもしれません。

司馬遼太郎の長篇小説『胡蝶の夢』を読みますと、主人公・司馬凌海が勤務している医学校に、ドイツ医学を導入するため、ドイツ人教授が赴任して来る場面が描かれています。

凌海は、医師で語学の天才でもあり、ドイツ語に堪能でした。新教授は凌海と話した時に、あまりに上手に話すので「あなたはドイツに何年いましたか」と尋ねたそうですが、実際には日本から出たことはなかったそうです。

凌海は佐渡島の真野の出身で、千葉の佐倉と長崎で学んだ人でした。

先日、浅草の佐渡料理の「だっちゃ」さんに飲みに行った時、「佐渡出身の有名人は誰?」というクイズになり、私は「司馬ナントカっていう、名前は忘れたけど、『胡蝶の夢』に出てくる医者!」

と答えましたが、皆さん「???」という反応でした。佐渡ではあまり有名でないようです。

で、ネットで検索してみましたが、たしかに「佐渡出身の有名人」に凌海は載っておらず、

・宮田亮平=金属工芸家、東京藝術大学学長

・益田孝=戦前の三井物産の実業家、茶人でもあり茶器の収集が有名

・北一輝=戦前の右翼思想家、2.26事件に関与

・土田麦僊=戦前の日本画家、国画創作協会を設立

といった方々だけが出ていました。

でも、たしかに凌海は佐渡島の出身です。天才でありながらアル中だったので、忘れられたんでしょうかね。

凌海は通訳する時、日本語にない単語はその場で即座に造語した、というからスゴいです。漢文にも精通していたため、的確な訳語を促成できたのです。

蛋白質(Eiweiss)も凌海の促成語と言いますから、我々も普通にお世話になっていますね。佐渡の皆さん、やっぱり有名人に加えた方が良いと思いますよ。

さて、隠語の話しがいつの間にか、ドイツ語の話しに成ったので戻りますが、

■旅館・ホテル

「ノーショウ」予約している客が来ないこと

「幽霊」予約の入っていない客が来ること

ノーショウは、no show。

幽霊はノーショウの逆でゴーショウと呼ぶことも。

「ノーショウ」は隠語というより普通の言葉として使ってますねえ、「ちんや」でも。

「幽霊」は使いませんよねえ。

たしかに何かの間違いで、予約リストに載っていない人が、

「予約しました〇〇です!」

と名乗って店に入って来ることはあります。

どういうケースかと申しますと・・・

幹事さんが「ちんやに集合!」と人を呼び集めたのに予約を入れておらず、

しかし呼ばれた側は、当然予約が入っていると信じ込んでいて「予約しました〇〇です!」と言ってしまう場合です。

幹事さんが先に店に入れば、問題には成らないんですが、後から見えると混乱の元になります。実に困るんですが、たまにこういうことがあります。

その時、その件を目の前においでの御本人に知られないよう社内で連絡するのに、隠語が必要です。

でも「〇〇番の方は「幽霊」です!」なんて、おかしくて使えませんよ。

こういう場合、Sterbenが良いんじゃないですかね!

病院で「ステる」は既に有名過ぎて使えませんから、飲食業界に譲ってくれませんか?

例えば、

社長、大変です、ステった御客様が見えてます!とか・・・

追伸①

1963年6月15日に「スキヤキ・ソング」(=「上を向いて歩こう」)が、全米ヒット・チャート第1位を獲得しました。それから50年。その後、全米第1位になった日本人はいません。

~「スキヤキ・ソング」50周年記念~
「ちんや」で九ちゃんのCDが当たる週間 を開催しています。
平成25年6月15日(土)~23日(日)

1等:「上を向いて歩こう」CD
2等:世田谷文学館「上を向いて歩こう展」入場券
参加賞:「ちんや」金券133円 (参加賞は全員に差し上げます)

詳しくは、こちらをご覧ください。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.202日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">