卵が先か、鶏が先か?

さて皆さん、卵が先ですか? 鶏が先ですか?

そんなの分からないよ って?

では、素材が先ですか? 味付けが先ですか?

素材があって、その素材に合わせて料理法を考える、というのが普通の料理だと思います。

でも、普通でない料理もありまして、他でもない「ちんや」がそうです。

割り下の味付けが、まず先に決まっているのです。

で、それに合せて素材=肉を求めるのです。

「ちんや」の割り下は甘みが濃いので、肉の旨みがしっかりないと、その甘味だけを感じてしまって、おいしくありません。

「ちんや」の売店で割り下だけを買い求めて、他で買った肉にあわせる方がおいでのようですが、その場合は、この「おいしくありません」に成ってしまいます。

割り下にあわせて肉を求めていただかないとダメななんです。

ですので、ちんや売店の店先には「割り下だけのお買い上げはお断りします」と表示しています。

先日「料飲三田会」の新年会が根岸の洋食店「香味屋」さんで開かれた時に気付いたのですが、洋食屋さんでも、「ちんや」と同じような、素材と料理の逆転の関係があるようです。

洋食屋さんには店独自のソースの味があって、それを変えることは基本的にしませんね。

素材に合わせて、ソースを変えることせず、逆にソースの味に合わせて素材を求めるわけです。

浅草のすき焼きと根岸の洋食には、「白ごはんに合う味付け」でないと×という共通項がありますので、自然と味の傾向が似てきます。

そして、それに従って肉の選び方もかなり似ているなと思います。「香味屋」さんに行くといつもそう感じます。

そういう御店は、いつ行っても同じ味つけなので、安心して食べに行けるのが有り難いです。

特に年配の方には、この傾向は嬉しいことのようで、「香味屋」さんはいつも人生の先輩方で賑わっています。

さて皆さん、卵が先ですか? 鶏が先ですか?

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は336人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.082日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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