東北美酒らん
日本酒好きの知人が『東北美酒らん しあわせを呼ぶ東北のお酒』という御本をFBで推薦していたので、買ってみました。
著者はラジオ・レポーターできき酒師。2005年に「おひとりさま」という言葉を流行語にした、葉石かおりさんという方です。「おひとりさま」ブームは、すき焼き屋にとっては有り難くありませんでしたが、この御本には被災地の酒蔵さんの、その後の様子が描かれているので、買ってみました。
被災蔵の数だけ感動ストーリーがありますし、日本酒の技術的なことをやさしく解説してありますし、また印税の一部は日本酒造組合中央会を通し、酒蔵復興支援に役立てられるそうですので、私からもこの御本を推薦いたします。
さて、この御本に、酒とすき焼きのマッチングのことが書いてありました。
まず大原則として、
「濃厚な酒なら、角煮かすき焼き」
「淡麗な酒なら、ささみ大葉焼きか白身魚の刺身」。
ですので、
「すき焼きというと、一見、辛口のさっぱりした酒の方が合うのでは?と思うのだが、実際に試してみると最初のうちはいいけれど、次第にすき焼きの味が勝ち始め、酒の味が頼りなくなってしまう。」
「だが濃厚な酒を(すき焼きに)合わせると、口の中で驚くほどの一体感が生まれ、酒、料理ともに飽きることなく愉しむことができる。」
「酒と料理のバランスを取ることから、私はこれを、シーソーの法則と呼んでいる」
この「一体感」のことを、「仙台伊澤家勝山酒造」の若旦那は「口内調理」と表現していました。両者は近い考えですが、御二方とも御尤もと思います。
対する「上等な料理には辛口」という教えは、私も短絡的と思います。
では、すき焼きに辛口が×かと申しますと、私は必ずしもそうでないと思っています。
辛口の酒には、口の中をさっぱりさせる効果があります。「一体感」は今一つでも、これも酒の効能です。
だから、つまり、要するに、両方飲めば良いんです。「濃厚」と「さっぱり」と。取っ替え、引っ替え。
すき焼きは、ある程度の時間同じ味が続きますから、変化をつけた方が楽しいです。「一体感」を感じたり、「さっぱり」したりしながら両方飲めば良いんです。
私は年中、いろいろな種類のお酒を自分の店のすき焼きに合わせていますが、マトモな御酒で、
これは合わないなあ!
という組み合わせに出遭った経験は、ヒジョーに少ないです。
あまり拘らずに全部愉しむ、私のこの主義のことを「オーケーの法則」と呼んでいます。
お後がよろしいようで。
あ、そうそう、『東北美酒らん しあわせを呼ぶ東北のお酒』は角川書店刊行。ISBN-13: 978-4041100981です。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は288人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
参加者の方には、特典も!
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて914日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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