「松阪牛」
あまり大きく報道されませんでしたが、国際観光に関係している人の間では、とても気になるニュースがありました。
<北海道新聞11月27日朝刊掲載>
石狩市生振(おやふる)の焼き肉ステーキ店「茨戸(ばらと)ガーデン・ノースヒル」(岡茂社長)が、産地が異なる国産和牛を高級ブランド牛の「松阪牛」と偽って中国人団体客に販売していた問題で、岡社長は26日までに、北海道新聞の取材に「中国人の添乗員に依頼され偽装表示を始めた」と語った。道は26日、景品表示法違反(優良誤認)の疑いがあるとみて同店の調査を始め、偽装販売の詳しい状況を今後調べる・・・
この事件は、完全に偽装表示の事件で、勿論有罪です。しかし中国人ネット社会では、
「だまされた中国人に、見識が無かったのが悪い!」
という声が上がっているそうです。
へえ?!でしょう。
それにもう一つ申しますと、私は、この事件を知っても驚きませんでした。
ついに来るものが来たねえ。
という感じです、ハッキリ言って。
この記事に登場するような「中国人の添乗員」に高率のリベートを請求されて困ってしまい、結果、仕事の質を落とす飲食店が、これまでもあったからです。
ここで、あなたが飲食店の店主だと仮定してみましょう。
そこへ中国人の旅行業者が現れて、とても多数の客を送ってくるという商談を持ちかけて来たとします。
その業者は「50人のグループを毎日3組」とか言っています。
ということは、毎月4.500人位送られてくるわけですから、かなりそそられますね。
ところが、です。リベートが高率なのです。
どうします?
今回のように産地を偽装しますか。中国ではOKでも、日本では有罪ですよ。
品数を減らしますか。すぐにバレますよ。
分量を減らしますか。中国人は分量にウルサいので、きっと文句を言われますよ。
ありがちなのは、サービスの経費を削ることです。
中国人が来る前に、すべての料理を机の上に並べておいて、客が来てから行うサービスは、せいぜい、お茶を入れる位にします。そうすれば相手が50人のグループでも、サービスは2〜3人で対応できます。
勿論、料理は思い切り冷めますので「・・・」という結果に成りますけどね。
実は、こういう対応を受けた中国の方々は、その料理がペケだということに既に気づいておられます。
だから、国に帰ってから旅行業者にサンザン文句をつけるようです。
でも業者や添乗員は、どこ吹く風の風情で、商売の仕方を改めません。「日本に行きたい」という観光客は、今後もウハウハといるわけなので、少々CS上の問題があっても、スルーできるのです。
これで、ようやく、
「だまされた中国人に、見識が無かったのが悪い!」
という声が上がっているわけがお分かりいただけたと思います。
中国国内で日本旅行の評判は決して良くないのです、以前から。
日本の恥さらしとまでは申しませんが、かなりカッコ悪いです。
それでも「インバウンド目標3.000万人!」とか「中国富裕層を狙え!」という勢いの中で、こうした現状はあばかれずに来ました。
私も、この話しをブログに書くのは初めてです。
皆さんにも現状を知っていただけたら、嬉しいです。
もっとも、その昔日本人の団体さんが御フランスに御登りした時は、サンザン鴨られたそうですからね。それと比べれば、まあ、50歩100歩ですけどね。
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