体当たり体験
私とリアルに話した経験のある方は、私にテレビ番組に関する知識が、ゼンゼンないことにお気づきになったと思います。
特に、お笑い芸人と女子アナに関する知識が欠落しています。「彩パン」なんていう方は、最近コマーシャルに出るようになって、ようやく顔と名前が一致しました。そういう話題で座を盛り上げようとして、私がついて行かず、「ノリの悪い男だな」と感じた方もおいででしょう、たぶん。
知識が欠落しているのは、勿論、そういう番組を見ないからです。
では、なんで見ないかと申しますと、お笑い芸自体がキライなわけではなく、お笑い芸人の「体当たり体験ルポ」みたいなコーナーがキライなのです。
弊店にも、以前テレビ局から電話があったのですが、お笑い芸人を、「ちんや」の肉の職人として「体当たり体験入門」させ、芸人の覚えが悪ければ、弊店の職人がハリセンで頭をたたいて欲しい、という依頼がありました。断りましたけど。
この手の企画は、そもそも無理なことをさせて、お笑い芸人が苦しむところを笑うのが眼目です。
何年とか、それ以上の年月をかけて習得することを、1日とか2〜3日で習得させようというのだから、無理に決まっています。そこを笑いものにするわけです。
そこには技術というものに対する敬意が微塵も感じられず、腹立たしいです。
お笑い芸そのものを披露する番組なら、見たくないわけではないのですが、「体当たり体験」は、腹立たしいので、お笑い番組全体を見なくなってしまいました。
お笑い番組は見なくても困りませんが、困るのは、ニュースの枠の中で展開される、女子アナの「体当たり体験ルポ」コーナーです。ニュースを見ていると、頻繁に遭遇します。
女子アナは局の社員なので、こういう業務命令には従わないといけないのでしょう。あるいは、「若い間の一時だけ我慢して、テレビに出ていれば、その後一生セレブとして暮らせるから、我慢は一時だけよ!」、という女子アナ側の打算もあるのかもしれませんね。
そう言えば、以前、東京マラソンにお笑い芸人と女子アナが強行出場して、お笑い芸人が心臓発作をおこしたことがありましたね。
最近も、女子アナが、新作ファッションのコレクションにモデルとして出演するため、モデル・ウオークの特訓を受ける、というルポをやっていました。
こういうのを見たら、本職のモデルさんは、少しは怒った方が良いと思います。
技術というものに対する敬意が微塵も感じられません。腹立たしくないんでしょうか。
あ、でも、女子アナの「体当たり肉職人体験」は弊店でお引き受けしますよ、喜んで。お笑いの方は、イヤですが。
追伸
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて553連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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