2022年8月8日
卵の割り方
すき焼き=エンタメ
と捉えますと、客席での「演出」が大事になります。
その方面では、「ちんや」のような伝統店より、新しいお店さんの方が上手なことがあります。
例えば、卵ですが、
卵を客席で割って見せるお店があり、
へえ
と思いました。
今時の卵は殻が薄いことがあり、それが細かく砕けて玉丼に入ってしまうことがあります。それは、つまり「失敗」ですね。
失敗をお客様に見られたくはないので、卵はバックヤードで割ることが普通ですが、そのお店さんは客席で割って見せていました。カラザも一生懸命取り除いていました。
しかも仰々しい所作で。
そのお店さんが見せたかったのは、卵の殻の色でした。
着色したかのような見事な茶色で、それを見せることで、
健康な卵です!!
と主張なさっているのでした。へえ。
「健康な卵」に注目させる為には、所作は仰々しい方が良かったのでした。
では、そのお店さんが「おすすめ」かと申しますと、残念ながらそうではなかったです。
肝心の肉の取り扱いが、
・・・
だったのです。
肉を熟成させずに、(たぶん)すぐ冷凍してしまったので、旨味がほぼないです。
鍋に牛脂を入れないので、脂の甘味が鍋に入りません。
結果、割下の甘辛さだけが際立っています。全ての具がひたすら甘辛いのです。
その一方で、食材の産地にだけは拘っている。
はたして、肉を取り扱うノウハウがおありなのか、疑問に思えてきました。
まったく、色々なお店さんがあるものです。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.545本目の投稿でした。
Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 11:36 AM
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