詔
5月19日に今日は何の日か?検索していたら、
天武天皇が、牛・馬・犬・猿・鶏の肉食を禁止した日と出ました。これが有名な肉食禁止の詔です。
当時とはもちろん暦が違いますから、換算すると、この日は天武天皇4年4月17日でした。そして4月であるという点が実はポイントです。
この頃朝廷が人民に仏教をひろめようとしていて、これ以降日本人は肉を食べなくなったと解釈している方がいますが、少し違います。
この詔は、稲作期間である4月から9月は肉食をするなという話しでした。農閑期である10月から翌年3月までは禁止されていません。また当時の主な狩猟の対象だった鹿と猪については禁じられていませんでした(残酷な狩猟方法については制限がかけられました)
この詔を逆に読むと、鹿と猪は通年フリードリンクだし、牛・馬・犬・猿・鶏は10月から3月までに食えばOKとなります。
なんだか、最近出た禁酒令みたいですね。外ならOKとか、昼ならOKとか。
つまり、動物愛護の観点というよりは、稲作収入(→税収)を確保したいというのが本心と思われます。牛・馬は農作業に役立つ益獣なので、人民が食いたくなったからといって勝手に食うのはダメだという話しです。
この天皇は「壬申の乱」に勝って皇位を奪い獲った人で、専制的なキャラだったことが知られていますが、特に4年(675年)から6年(677年)は威嚇的な発令が多かったようです。人々はぶつぶつ不平を言っていたことでしょう。
結局日本人は、しだいに肉食禁止に慣れて行きますが、最初は文句タラタラだったと思われます。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.099本目の投稿でした。
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