奉納絵馬
小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が好調です。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
登場するのは歌川国芳門下の絵師たち。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
5月号では、国芳の絵馬が浅草寺に奉納されて、将軍様もご覧になったという件が出てきました。
え、そうだっけ?!と思い確認しましたが、たしかにそうでした。有名なのは谷文晁の「神馬」ですが国芳もありました。浅草寺の公式サイトでは「寺宝」として紹介されています。
江戸時代の奉納絵馬は大変大きくて本堂に架けるもので、美術館などというものがない当時は、絵が多くの人の目にふれる貴重な機会でしたが、その本堂が燃えたのに、何故絵馬は残っているのか。
それは昭和8年(1933年)の改修の時に外されて、元に戻されなかったためでした。それで昭和20年(1945年)の東京大空襲を逃れたのでした。
現在は五重塔院に保管されており、原則非公開で、観る機会は大変限られています。最近では2018年に公開がありました。
次回の公開が待たれますね。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.710本目の投稿でした。引き続きご愛読を。
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