短期熟成

知人が、
熟成を早める機械が出来たようですよ!
と知らせてくれました。
長期熟成をする機械の話しなら数年前に聞いたことがありましたが、今回は短期熟成とか。
資料を拝見しますると、なるほど、そんな機械があるのですねえ。その機械は、
「食材の表面温度と内部温度を個別に制御する当社独自の熟成促進技術を用いて、一般的な熟成法と比べ短期間で、柔らかさや旨味を向上させる装置です。」
牛肉の熟成は通常、温度・湿度・風量をコントロールした環境下で1~2℃の低温状態を保ち、2・3週間から人によっては数週間をかけ熟成させますが、この機械は、
「食材の表面は低温を保ちながら内部温度を高温にすることで酵素を活性化させ熟成を促進するものであり、数日から1週間程度の熟成で、柔らかさ、旨味が向上するという特長を有します。」
ここで「そもそも」ですが、肉の熟成は、肉の中に元々あった酵素が、タンパク質をアミノ酸に分解することによって起こります。分解速度は温度が高いほど早く、温度が低いほど遅いです。
が、温度が高い環境で熟成させると、肉の表面に付いている菌も活発に活動してしまうので、表面が腐敗を始めます。によって、温度の低い所に肉をおいて表面が腐らないようにしつつ、中で酵素が活動するのを待つ、というのが普通の熟成です。
この機械は、おそらく、電子レンジのような方法で、肉の内部だけ温度を上げ、しかし表面だけは冷やしておく、というやり方で短期熟成を企てているのだと想像します。
熟成は場所を必要としますが、この機械を入れれば省スペースになるので、銀座とか地面が高い場所で営業している方には朗報かもしれません。
では、この機械が完璧かと申しますと、実際に食べていないので何とも言えませんが、私はこの機械について、肉の乾き具合がどうなるのか、気になります。
再度「そもそも」ですが、肉の熟成は、肉の中に元々あった酵素が、タンパク質をアミノ酸に分解することだけを言うのではなく、肉を置いている間に、水分が飛び、アミノ酸の濃度が高まることも加わります。
この機械では7日で熟成を終わらせてしまうので、肉の水分量が私の好みよりは、多めのままになるのかなあ・・・と想像しています。あくまで想像ですけどね。食べる機会があれば食べたいものです。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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