長寿の肉
ただ今から、誇大広告をいたします。
「ちんや」の肉は長寿の肉、です。
そう申し上げる根拠のデータは、もちろん、ありません。でも直感的には、ご高齢のお客様が多いです。
店の現場におりますと、御み足が不自由になっていて、杖をついて見えて、玄関で御靴を脱ぐのにも難儀なさって入店された方が、しっかり、すき焼きを召し上がるのを見かけます。おかわりをなさったりするから驚きます。
そうです、「ちんや」の肉は、ご高齢の方も食べやすいのです。
お齢を召しますと、胆汁の出が悪くなるとかで、霜降肉の脂が消化しにくくなります。だから、当然赤身肉を召しあがるのが良いわけですが、世間に食べやすい赤身肉が多くはありません。
そのわけを申しますと、赤身肉は、肉屋のビジネスとしては「上物」でない、単価が獲れないものなので、丁寧に熟成させたりしないケースが多いのです。
熟成させることにより、肉のタンパク質が分解されて、アミノ酸に変わりますが、それによって、肉はやわらかくなり、また消化しやすくなりますので、食べた後でもたれないようになります。でも、それには3〜4週間かかります。
ところが、量販店さんなどは、商品回転率を重視していますので、牛のと殺後4〜5日で肉が店頭に並ぶことがあるようです。赤身肉は特に単価が安いので、そういう傾向がありますが、これではやわらかくありません。また、食べると胃がもたれます。
もちろん、私は商品回転率の向上を目指すと、肉がやわらかくなくなり、胃にもたれるようになり、そして旨くなくなるのを知っておりますので、「ちんや」は、量販店さんとは違う仕事をいたします。
今週のある昼さがり、ご高齢のお客様がフリーで見えて、「ご飯をお粥にして欲しい」というリクエストを出されました。それは出来ないことではないですが、しかし、
ご飯を食べられない人が、肉を食べられるのかなあ。大丈夫なのかなあ!と私は心配になりました。
ところが、です。その方(女性でしたが)肉の方は、一人前以上、しっかり召し上がって帰られたのです。これには、私も少し驚きました。
おお! ウチの肉は、ご飯より食べやすいのか!
これぞ、長寿の肉だ、これを宣伝しない手はないぞ。
と、いう次第で、ここに誇大広告をさせていただきます。
「ちんや」の肉は長寿の肉!
「ちんや」の肉は長寿の肉!
「ちんや」の肉は長寿の肉!
どうです? 脳髄にインプットされましたか?
え、まだ? では、あと2回ほど。
「ちんや」の肉は長寿の肉!
「ちんや」の肉は長寿の肉!
お後がよろしいようなので、この辺で・・・
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて258日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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