ウチの肉
定期的に肉の試食会をしています。
店のスタッフは勿論、肉の問屋さんにも加わってもらいます。
その際にやるべきことは「食べ比べ」。
「ちんや」のスタッフは「ちんや」の肉に慣れてしまっているので、それだけ食べると、
うん、うまいね、これがウチの肉だね。
だけで終わったしまいがちです。
そこで、おそらくマズいと期待される(?)肉をスーパーなどで購入してきて、比べます。
今月の試食に登場したのは、100g=950円ほどで売られていた、すき焼き用の肉でした。部位はリブロース。30か月飼ったメス牛の肉で、熟成期間は2週間弱。
「ちんや」の基準からすると、熟成期間が短いですが、まずまず乾いています。
さらに凝視しますると、
脂が、なんか、硬いですねえ。
メスで30か月飼ったはずですが、脂が身割れしそうですらあります。ケンネ脂みたいなマテリアルです。リブロースの肉の間の脂なんですけど。
さて割り下で煮て、
肉が縮んでしまいました。
加熱して縮む理由はカンタンです。薄~くスライスしているからです。スーパーさんは利益追求がキビシいですからね。
ここで問題なのは、スライスの薄さはパックの上から見て良く分からないことが多いことです。今回もリブロースを折り畳んで、パックに入れてあったので、ビニールを外すまで薄さがわかりませんでした。巧妙と言うか、消費者を惑わす手口と思います。
肉が薄いわけですから、当然旨みも薄口になります。熟成が短いですから、さらに旨みが薄口です。
脂が硬いことで即大ダメージはなかったようですが、旨い肉に特有の「脂の甘味」は確認できませんでした。
総じて、期待したほどマズくはなかった(笑)ですが、まあ、普通。「美味しい!」という感激はないです。普通。宴会料理の一部としてこれが出て来るなら、まあ、まあですが、この肉を目指してわざわざ食べには行かないでしょう。
その後で、「ちんや」の肉を食して一同、安心。
うん、ウチの肉だね。
関係者の皆さんのおかげで、今週も、まずまずの肉が仕入れられました。誠にありがとうございます。
追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。
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