1周年記念酒
磯蔵酒造さんが浅草2丁目にオープンさせた日本酒文化専門店「あなぐら」が開店1周年だということで、「1周年記念酒」を売っていたので、買ってみました。
記念酒は、酒造好適米「愛山」を使った、冷酒用のお酒と言います。
購入しまして、「冷酒用」だということでしたので、燗をつけて飲んでみました(笑)
だって、指定通り飲んだら、「おいしいね」だけで終わってしまい、そのお酒の特徴がつかめないですから。
さて燗をつけますと、冷やした時より、酸味・旨味が多いことに気づきます。なんか、養分が多い感じ。「スッキリ」を好む人は、こういうお酒を嫌うかもしれません。
ボトルをしげしげと見ますと、精米歩合は60%でした。「愛山」はかつては「山田錦」に並ぶと言われた酒造好適米なので、削り込めば「スッキリ」した吟醸酒が造れるのですが、あえてそれをやっていないようです。磯さんらしいなあ。
度数は16度。少々高めですね。しかしアル添はしていなくて、加水もしていないそうな。
つまり、これはどういうことかと申しますと、醗酵させて行って16度に成ったところで止めているのです。
普通の日本酒は18-19度まで醗酵を進めてアルコールをたくさん作り、それでは強過ぎるので加水するのです。これで薄い酒=「スッキリ」した酒が出来ます。養分が醗酵によりアルコールに変わっているところへ、加水までするので、当然「スッキリ」に成るのです。
記念酒は、その真逆です。
米に由来する色んなものが混在していて、複雑でどっしり。
これを燗つけすると飲み辛くなってしまうので、「冷酒用」なのです。冷やせば酸味・旨味も、スーっと入ってしまいますからね。
それにしても、あえて貴重な酒造好適米で、飲み易くない酒を造るとは、まったく酔狂です。
あ、酒は飲んで「酔狂」に成るもので、造る時はシラフか。どういう状態で造るのかなあ。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.022日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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