明治150年
新年会とか賀詞交換会とかにまいりますと、挨拶する人全員がオリンピックのことを話すので、いささかウンザリしてきました。その話題に完全に埋もれてしまっていますが、今年は
明治150年です。
政府は記念事業をするそうですが、たぶん本心は改憲とか陛下退位の準備とかに忙しいですよね。
そこで、この件を盛り上げねばと、私は勝手に使命感に燃えてブログに書くことに致しました。
今を遡ること150年前。1868年1月に明治天皇は「王政復古の大号令」を出し、新政府樹立を宣言しました。新政府は鳥羽・伏見の戦いで旧幕勢力を京都から排除した後、4月には「五箇条の御誓文」で新政府の基本方針を表明しました。
それから110年、中学受験のため日本史を勉強していた私は「五箇条の御誓文」の開明性・先進性に衝撃を受けました。そして、この時代に起源を持つ料理屋の子に生まれたことを誇りに感じました。ええ、マジで。
5世紀に起源を持つ国が、
「旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし」
とか言っちゃうのはスゴいことですよね。
この受験は成功し、私は、やはりこの時代に起源を持つ学校に入学することになりました。そうしましたら、その学校の創立者・福澤諭吉先生は『肉食之説』という一文まで書いていたというから驚きます。肉食を嫌う者の論は「人の天性を知らず人身の窮理をわきまへざる無学文盲の空論なり。」とまで書いています。これは、ほとんど運命の出会いのように感じました。
そこから40年、今年は明治150年です。
多くの人が明治時代を想い起す年になれば、と思います。
ただし、です。明治の革新性ばかりでなくて、同時に江戸=明治の連続性も評価されると良いと私は思っています。
一見、江戸=明治は断絶しているように見えて、底流でつながっています。江戸時代の日本の良い所が明治になって開花したという風に考えることも出来ると思います。牛鍋が、それ。洋食は、その逆パターンで、まったく新しいものに見えて、実は和の味付けが加えられています。つながっているのです。
江戸的教養が、西洋文明を受け入れる際の基礎になったとも言えます。福澤先生は「演説」「簿記」など多くの言葉を造語しましたが、使ったのは漢文の素養でした。
2018年は、明治が近く感じられるよう、また多面的な評価ができるよう、このブログでも意識して書いてみようと思います。おつきあい下さいまし。
追伸、「適サシ肉の日」
が日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。
昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。
「記念日制定の由来」は以下の通りです。
「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.882連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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