縁起
富岡八幡宮の事件のせいで、地元商店街や飲食店が困っているという件が報道されています。報道によりますれば、
「縁起が悪い」などと予約のキャンセルもあるという。《飲み放題8人以上注文で1人分無料》。商店街に店舗を構える居酒屋は最近、ツイッターにこんな宣伝文句を掲げた。「事件後、初詣の参拝客からの予約がキャンセルになり、急遽キャンペーンをやることになった」と男性店主。例年、この時期は忘年会や新年会などの予約客の売り上げが大きいといい、「少しでも客足を取り戻せれば…」と不安げに話した。」
こういうのって、報道する必要があるんでしょうか?読んだ人が,
「縁起が悪い」という理由で予約をキャンセルしてもOKなんだ!
と思ってしまいますよね。
大多数の人はそんなことをしないのに、少数の縁起を気にする人だけ報道するのって、適切なんでしょうか。
肉の業界も、2001年のBSE問題の時は「困っているそうだ」報道の攻勢で辛い思いをしたものでした。だから殺人事件→値引きと聞いて、私はすぐにBSEの頃を思い出しました。
そして、お辛いとは思いますが、値引きは店として最悪の対応です。
むしろ、こんな時でも来て下さる大切なお客様はどなたなのか、それが分かる貴重な時期と言うことができます。その方々を大切にする方策、絆を深める方策を考えるべきだと思います。
値引きは、その店の良さが分からない(=ロイヤリティーが低い)客を招き入れるだけで、愚策の中の愚策です。今日を凌げたとしても、将来が失われます。
ところが商いをしたことのない記者さんは、そういうことがお分かりにならないのです。弱い立場の店は値引きするしかないと思っているから、そういう事例を探し出して書くのです。
嘆かわしい。
2018年は「困っているそうだ」報道は考えなおしてもらいたいものです。マジで。
追伸
インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。
文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.869連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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