長寿企業の知恵⑪
ネットTV番組『Story 〜長寿企業の知恵〜』に出演させていただきました。
この番組は、創業100年を超える老舗企業の経営者をゲストに招き、長寿企業の経営者が持つ知恵や理念、思いを語る、というものですが、思いがけず好評で嬉しく思っています。
こちらのURLで今でも視聴可能ですなのですが、全長50分と少々長いし、そもそも動画は音が出せる環境でないとダメなので、文字情報が欲しいというご要望をいただきました。以下に公開してまいります。
(長いので15日に分けてUPしています。今日は、その11日目です)
<業界での取り組み。長寿企業と地元地域>
石田「現在、地域での活動や同業者との取り組みなど行っていることは?」
住吉「ウチの裏通りである「雷門横丁」の「一斉清掃」を、平成18年から毎月一回行っています。毎月第三金曜日の朝10時から、通り会員が総出で道の清掃をします。連続10年を達成した時には台東区役所から表彰されました。」
朝岡「この活動はどのようなきっかけで始めた?」
住吉 「一斉清掃が、暑い日も寒い日もめげずに続けてきたわけは、「この横丁をなんとしても清潔な通りにしたい」という共通の願いがあったからです。雷門横丁というのは、雷門通りのすじ一本北、つまり「ちんや」の裏の、細い通りなのですが、通りと通りの間の距離がさほどないので、雷門通りから雷門横丁まで敷地が続いている店が多く、そうした店は雷門通りに面して表口を、雷門横丁に面して通用口を設けています。で、平成18年当時問題だったのは、その通用口近辺、つまり雷門横丁に面した口の、ゴミの始末が、とてもだらしない店があったことでした。ゴミの始末がだらしない店の中に飲食店がありました。「ちんや」も飲食店ですが、飲食店は生ゴミを出しますから、始末をよほどキチンとしないと近隣にご迷惑をかけます。生ゴミにネズミやハエ、ゴキブリが寄ってくるからです。そして悪いことに、その店にはホームレスまで寄ってきてしまいました。ヤツが連日出没するので、とても困りました。もちろん、その店には何度も、個人的に申し入れをしましたが、口約束ばかりで、キチンとしたゴミ処理が実行されません。従業員に外国人が多く、オーナーが店をコントロールできていない様子でした。このザンネンな状態を解決すべく、一人の女子が立ち上がりました。ウチの裏の、もんじゃ焼き「O」のU子さんです。「雷門横丁に「通り会」を作って、組織の力でゴミ問題に取り組もう」という彼女の音頭とりで、浅草雷門横丁振興会が結成された時、私は副会長となり、生まれて初めて、年下の女性の上官をかつぐことになりました。以来彼女の音頭取り+私の段取りで今日まで、10年以上続いています。後日談ですが、あの汚かった店は倒産し、今のテナントさんに代わりました。今のテナントさんはキレいにしてくれているので、以前のような問題はなくなりました。毎月清掃することで、他の御店もゴミ処理に気を使うようになりました。また、会の共有でダストボックスを購入したので、さらに清潔になりました。」
石田「浅草は地域と企業の交流が特に活発なのはなぜか?」
住吉「小さい頃から顔見知りで、そのまま自然に会に誘われて入っているので、「特に活発」という意識はないです。他所の人様に言われて、ああ、そうなのかなっていう感じです。銀座と違って皆浅草に住んでいますから、結果当然、幼稚園が皆「浅草寺幼稚園」卒園なんですよ。学歴の中で、そこが一番重要なんです(笑い)人の呼び方も「ふみちゃん」「しゅうちゃん」「たっちゃん」って、幼稚園時代の呼び方そのまんまですしね。」
石田「地域での活動は本業にも大きな影響をもたらしている?」
<この続きは、明日のこのブログで>
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.805日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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