「激推し」のメンチ

「グッチ裕三さん激推しの『浅草メンチ』に行って判明した衝撃の事実!」

という記事がネットに出回っていました。

何が「衝撃の事実」かと思って読みますと、仲見世は基本食べ歩きNGだということが「衝撃」なのだとか。

え?

昔からNGですよ。

そのNGを破る人が最近多いだけです。

このライターさんは、

「観光スポットでの「食べ歩き」は、旅行客にとっての楽しみのひとつ」

「仲見世も食べ歩き禁止だった!! 食べて歩くのが楽しいのに、ダメなのか!?

というご認識だったようのですが、そういうご認識になっていることの方が、むしろ、浅草の人間にとっては衝撃です。

もはや食べ歩きする人=マナーがザンネンな人という認識ではダメなのかもしません。

仲見世にはインバウンド客狙いの、チープでキッチュなグッズがたくさん売られていますが、実は本格的な工芸品も売られているのです。その品物に、メンチ食べ歩きの輩が脂ギッシュな手で触るので、店にとっては、無視できない品耗なのです。おそらく輩にとっては、キッチュなグッズも工芸品も同じに見えるのでしょう。

あ、いやいや、グッズの店だって、脂ギッシュな手で触られては、無視できない品耗でしたね。それは同じことでした。訂正します。  

ともあれ、仲見世は食べ歩きNGですし、他の通りもOKということではありません。よろしくお願い申し上げます。

ついでながら、タイトルに出て来る、伝法院通りの『浅草メンチ』さんを、タレントのグッチ裕三さんが「激推し」しています。

ある番組では「浅草新名物」「子どものころ、肉屋さんでメンチを売っていたからよく食べたけれど、レベルが違うな」

他の番組では「運が向いてきそうでしょ?」「勝負に勝つ! メンチカツ!」といった具合です。

ところが最近グッチさんこそ、その店のオーナーであることが露見してしまいました。つまりテレビで言っていたことはステマだったのです。

上記サイトとは別の報道によれば「経営するのは『旨いぞお』なる会社。代表にはグッチの妻が就き、グッチ自身も役員に名を連ねている」とか。カンペキなるステマですねえ。これでは流石に悪徳だとネットやテレビでも叩かれる事態になった模様です。

そう言えば、この「衝撃の事実」という、最初の記事自体も「食べ歩きは観光客の楽しみ」と、メンチ店を擁護する立場で書かれているように読めてしまいますねえ。

んで、以下は私の推測ですが、おそらく近隣トラブルが原因で、オーナーだと名乗り出づらくなってしまったのだと思います。

この店は、食べ歩き以外にも、路上の汚れ、臭い、行列警備が不充分なことなど、近隣商店街に迷惑をかけていて、オーナーだと名乗り出ればタレントとしてのイメージが悪化してしまう状況でした。

まずは、これらの件にオーナーとしてしっかり対応していただき、宣伝はそれからになされば良かったと思います。よろしくお願い申し上げます。

 

追伸1

本日15日は火曜日ですが、お盆ですので「ちんや」は臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいまし。

追伸2

雑誌「dancyu」2017年8月号の「美味東京」特集に、「ちんや亭」の「適サシ肉」の「ちょい食べ」が採り上げられました。

ありがとうございます。

追伸3

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.726日連続更新を達成しました。

Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">