観光経済新聞②
<週刊「観光経済新聞」さん「日本の食~訪日外客4千万人時代を前に」という御題で、600字コラムを書くことになった件は、このブログの7/24号に書きました。今日のは、ボツにした方の原稿です。「形式ばらない、腹蔵のない、面白い話題」を書けとおっしゃいますが、どうも書いたら 説教になってしまいました。こんな↓感じです。>
飲食業者の会合の場で最近耳にタコができるほど聞かされる話しがあります。日本を訪れる外国人観光客の関心事の第一は日本の食であるという件です。観光庁が平成22年に実施した「外国人旅行者のニーズ把握調査」の中でも「今回の旅行出発前の段階で期待していたこと」を問う質問で、食は64.0%でトップでした。この話しは飲食業者にとっては耳ざわりの良い話しです。永年日本経済の外野であり続けた飲食業者の自尊心をくすぐります。モチベーションも上がります。政治家の先生や官庁の方に対して、そういうことなんだから、もっと予算をつけてよ!という意味を込めて話されることもあります。逆に政治家の先生や官庁の方からリップサービスとして話されることもあります。では、さてこの文章の御題ですが、この傾向がはたして良いことなのか考えてみよう!ということです。外国の方が召し上がった食事が日本の精神・日本の文化を皿の上に表現したものであったなら、もちろん諸手を挙げて良いことだと申せましょう。しかし残念なことに、同じアンケートの「今回の旅行で満足したこと」を問う質問で、食は57.9%とスコアを下げているのです。ご満足いただいていません。だって、今時の日本の食って、残念なものもかなり多いですからね。当然かもしれません。そして今後はもっと下げるかもしれません。私は東京浅草で商いをしておりますが、俄か仕立てのお店さんが次々に出来ること、出来ること。そして今月出来た店もかなり賑わっています。外見だけ観ると、これにて万々歳に思えたりもします。しかし、どこまでもこの調子でイケイケで押して行くのか。世間の皆さん、あんまり料理屋をおだてないで下さいませ。(600字)
追伸1
6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。
今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、
「世界が恋するWASHOKU」。
旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。
追伸2
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.714日連続更新を達成しました。
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