適サシ肉騒動(?)
ええ、もちろん、驚きました。
「適サシ肉」騒動(?)の件です。
2月8日の朝に知人から次々にメールが着信して、YAHOOのトップページにオタクのことが載っているよ!そう言われて初めて分かったんですが、まったく予想外でした。文春オンラインの掲載日であることは分かっていましたが、文春オンラインは開設されたばかりのサイトで、読者もこれから増やしますという段階だったので、そんなに期待していませんでした。
ところが、その記事がYAHOOのトップページにリンクされたから大変です。店の公式サイトはダウンし、ブログに30倍のアクセスが来るほどの大反響となりました。
嬉しかったのはYAHOO!のコメント欄の反応です。15対1で私の「適サシ肉」という考えに賛同する方が多数派でした。
それに続いて大小メデイアから取材申し込みが殺到しました。日本テレビ「スッキリ!!」、TBSテレビ「白熱ライブビビット」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、東京新聞、TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」とメジャーな番組ばかりです。テレビに出たことで、ネットでの拡散にも拍車がかかったようでした。
嬉しくない反応もありました。ネットの一部で「すき焼き老舗が爆弾宣言」「浅草から衝撃のニュース」「業界激震」などと、センセーショナルな伝え方をされて、実に困惑しました。
「適サシ肉」の件で「肉の業界に一石を投じた」のは、私ではなくてヤフーさんです。
私自身は、業界や他のお店さんにモノ申したいなどとは毛頭思っておらず、むしろ戦々恐々の気分です。
私が考えたのは、
弊店の割り下の味付けに合う肉を仕入れたい
弊店に以前から見えている、お客様の御口に合う肉を仕入れたい
ということだけです。
違う個性のお店さんが独自のやり方で繁盛なさることについて、何の意見も持ち合わせません。
自分の考える「良い塩梅」を実行したら、結果的に5等級を使わない結果になっただけの話しでして、人様に挑戦する気とか全くないのですが、5等級を止めたことだけに話題が集中したのは愉快なことではありませんでした。
従来BMS8と7の肉を「霜降」と称して売って来ましたが、それを今回1段階ずらして、BMS7と6にしました。BMS8は5等級ですが、6-7は4等級ですが、それなりにサシは入っています。画像を見た方から「結構霜降だよねえ」というご意見も寄せられました。私が子供の頃、1975年頃はこの程度のサシでも「霜降り」と言っていました。
ですので、4等級を使って、それを「霜降り」と言い続けることも不可能ではなかったかもしれません。しかし今は1975年頃と違って、BMS12とか11の「ザ霜降」の肉がたくさん在ります。30年間でそういう肉が増えて、それをテレビで見た方が弊店を訪ねて来られて、BMS6の肉を見た場合、
ランクの低い肉だなあ!
と思ってしまう可能性があります。それで結局「適サシ肉」という言葉を造語したのです。そして、世間に先回りしてお報せしておくことにしました。
それを「宣言」と言っただけなのですが、どうもそれが世間を刺激して、爆発的に拡散しました。今は「宣言」という言い方が刺激的だったのかなあと少し反省しております。
言い方には問題があったかもしれませんが、それまでの過程や、大前提となる考え方には自信があります。
昨年の10月から12月にかけて、時間をかけて全社員1対1肉面談を実施したのは良かったと思いました。
あの面談で皆が私の説明を理解してくれたので、今回ぶれずに決断できました。
この決断は当然ながら弊店にとっては重要な決定でした。そういう決断を「目立ちたいから」とか、やましい動機で決めたら、ロクな結果になりませんから、業界とか、他のお店さんのことは視界から外して、お客様の方向だけを見て決断しました。
お客様の方向を見て、何が美味しいかを考えてみただけなんだ、という点をしっかりと確認していただけましたら、嬉しいです。
そして現在世間の一部には誤解もあるようですが、地道に、スタッフの口を通じて、お客様に、私の真意が伝わればと思っています。
よろしくお願い申し上げます。
追伸①
「適サシ肉」関連のメデイア掲載です=
文春オンライン2月8日より掲載中
日本テレビ「スッキリ!!」2月9日放送済み
TBSテレビ「白熱ライブビビット」2月10日放送済み
テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2月10日16時50分放送済み
東京新聞2月12日掲載済み
TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」2月12日10時放送済み
HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2月15日15時44分放送済み
TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」2月16日7時35分頃放送済み
産経新聞(生活面)2月20日掲載予定
追伸②
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.548日連続更新を達成しました。
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