泥鰌50年
「駒形どぜう」の六代目・渡辺孝之さんが『泥鰌50年』という本を出されました。
ご本人の喜寿を記念しての出版です。誠に芽出たいです。
今回の御本でメインのテーマとなっているのは、台湾でのどじょう養殖の件です。
「泥鰌」とは「どじょう」の中国語。台湾の関係者に向けて、この本の中国語版も作ったと言いますから、思い入れが分かりますが、何故台湾が、そんなに重要なんでしょうか。
拙著『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』をお読みになった方はご存知と思いますが、未だお読みでない方の為にご説明しますと、それは、かつてどじょう不足で「駒形」さんの経営が危機に陥ったことがあったからです。
昭和30年代頃から、稲作に強い農薬が使われるようになり、その影響を受け、各地のどじょうは次々にダメになっていきました。
ついには、どじょうの値段が鰻よりも高くなり、一番大変だった頃は、一日120kgほどのどじょうを使うのに、在庫が10kgしかなかいということもあったとか。
お店は、来店順で商品を出して無くなったら閉店。それでは従業員を雇っていけません。この時期を持ちこたえるのは本当に大変だったと聞きます。
で、日本にどじょうがいないのなら台湾だ!ということで、台湾でのどじょう養殖に乗り出すわけですが、もちろん、そう簡単には行きません。
最初の渡航の時、航空券代は当時の大卒初任給のおそよ9倍。家族や従業員と水盃を交わしての旅立ちだったと言います。そんな心もとないスタートでしたが、やがて台湾で幸運な出会いが連続し、「駒形」さんは台湾どじょうで経営を永続して行ける体制を造ります。
その出会いへの感謝が、この本の基礎になっています。
私などは「駒形」さんがその後に取り組んだ「江戸文化道場」に注目しておりましたが、六代目がそれに着手できたのは、どじょう不足の件を解決してから。
それで今回の御本は、台湾との出会いがメインテーマとして扱われたという次第です。
六代目、喜寿&ご出版、誠にお芽出とうございました。
追伸①
今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。
3年連続掲載です。ありがとうございます。
追伸②
CSフジテレビONEの
『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。
芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。
放送は、12/13(火) 10:20~10:50
12/14(水) 15:10~15:40
12/18(日) 08:00~08:30 です。
追伸③
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.481連続更新を達成しました。
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