織都

今日のタイトルを「おりべ」と読んでしまった貴女、インテリですねえ、ステキです。

しかし間違いは間違いでして、今日は「織都」桐生の話しなのですが、群馬県桐生市のことを調べているのは理由があります。

先日「すきや連」で八王子花街に行きましたら、その宴席に出演してくれた芸者衆の中に成華さんという人がいました。彼女は桐生出身で今は八王子で芸者をしていますが、桐生の旧花街・仲町の料亭「一婦美」の若女将とも親しく、断絶してしまった桐生の花街文化を再興しようと和文化イベントなどをなさっています。

で、その「一婦美」さんが「群馬すき焼きアクション」にも参加して、すき焼きもやっているのです。行かない手はありません。「一婦美」さんに、すき焼きを食べに行こう!ということになった次第です。

さて、桐生市にかつて在った花街を支えた経済力は織物産業がもたらしたものでした。

奈良時代に既に、上野国(=現在の群馬県)が絹を織って朝廷に差し出したと言うから驚きます。

1780年代には、水車の水力を使った「八丁撚糸機」を桐生の人が開発。一大紡績工業都市に発展しました。

明治時代になると力織機を早速導入、今度は輸出産業として成長します。大正時代に人絹糸が出来た時にも早速導入。戦前の昭和12年には輸出織物用原糸の内88%を桐生が生産していたと言いますから、大変なことでした。人口が前橋市、高崎市より多い時期もありました。

この時期が桐生花柳界の全盛時代とも重なり、当時の建物が文化財として今日に多く遺されています。

繊維産業が衰退してからは、人口の減少傾向が続き、芸者衆もいなくなりましたが、国立群馬大学工学部がある利点を活かし、産学官連携によって次世代産業を育成しようという人たちもいるとかいうことでした。

桐生のすき焼きがとても楽しみです。

 

追伸

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.349連続更新を達成しました。

 

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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