ポピュリズム
いや、驚きましたねえ。本気で離脱するとは。
ええ、もちろんイギリスのことです。驚いた方が多いと思います。
で、私の感想ですが、私はこの件について怒っています。
イギリス人に対してではないですよ。翌日新聞に出ていた解説記事を読んで、その著者に対して怒っています。
今回の事態を「ポピュリズム」だと軽蔑していたからです。その方は「ポピュリズム」=つまり無知な大衆がデマゴーグによって扇動された結果が、これだと言いたかったようですが、私は全く共感できません。
そもそも、経済を統合する=グローバル化を進めれば、職を奪われる人がいるに決まっています。
昔は一国の中だけで物資や人員を調達していましたが、今やヨーロッパ中から調達できるのだから、経営者にとっては有利です。しかし、逆に労働者の中には不利になる人たちもいるわけで、そういう人たちに対するケアを政治がしなかったら、不満が溜まっても仕方がないと私は思うのです。
それなのに、不満を言うことを「ポピュリズム」だと決めつける、その冷酷な態度に問題があると私は考えます。
世の中にはあまり能力の高くない人だっています。能力はあるのに、不幸な病や事故に遭って元気に働けない人だっています。そういう人たちに冷酷な態度をとってはいけないのは当然なことです。
経済統合=グローバル化で経済が繁栄すると言うなら~実際イギリス経済は結構好調なんですから~政治が介入して、その恩恵を国の隅々まで行き渡らせないといけないと思います。
ましてや、率先して社会正義のために働くべき政治家が、自己の蓄財を図るとか論外です。
その意味で、EU残留派を指導した亀論さんとか言うお大臣のタックス・ヘイブン疑惑が、今回の件では重大だったと思います。票差はプラス・マイナス2%でした。疑惑がなければ、残留派が勝ったような気がしてなりません。
社会正義をめざすべきリーダーが亀論さんみたいなことをしていたら、普通の国民は怒るのが当然と考えた方が良いと思います。
日本だって、マスゾエさんみたいな人がおいでですから、グローバル化を進めたら国民が怒り出さないとも限りませんよね。
選挙が続くようですが、良い方に出て欲しいものだと、つくづく思います。
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株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.315連続更新を達成しました。
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