ガイド解禁
「民泊」に次いで「通訳ガイド」が解禁になるそうです。
現行制度で、有償でのガイドは国家資格を持つ「通訳案内士」にしか認められていませんが、国の「規制改革会議」は、この制度は「急増する観光客のニーズに対応できていない」として、規制を緩和せよと答申したそうです。
どうやら、今この国の中心にいる方々は、観光業の質というものをとてもとても軽く考えておいでのようです。
その証拠に、次善の案というものが出て来ません。「民泊」も「通訳ガイド」も、ペロっと解禁してしまって、新たな制度を示すということをしません。
「民泊」については、それを旧来制度の「簡易宿泊所」として認めるというのが国の案ですが、「案」とは言い難いものです。フロント無しでOKなんですから、そんな「宿泊所」は「簡易」なのではなくて、「無責任宿泊所」だと私は思います。これまで「簡易宿泊所」に従事してきた皆さんに対して無礼千万な話しと思います。
実際この案に従うのは、都内では大田区と杉並区だけです。
宿泊施設が足りないというなら、都心の公務員宿舎を供出して使って貰ってはどうでしょう?広いですから、一部屋つぶせばフロントは造れるかと。
ガイドだって、たしかに現行の試験が難し過ぎることは私も認めますが、一気に「誰でもOK」にせず、せめて講習やるとか、民間資格を造るとかやってはいかがでしょうか。
ガイド解禁の件について、ネットには反対意見が溢れています。
「サービスの質が低下すると必ず集客にも影響しますよ」
「タクシーに貸切バスに派遣雇用となんでもかんでも規制緩和。早い話がサービスのダンピング容認でしょ。努力して夢を叶える事がこんなにも軽んじられてる国に未来はないね。」
・・・この方、発想がネガテイブなのはいただけませんが、その通り!と思わざるを得ません。
現場での私の体感でも、最近跋扈している無資格ガイドには、???と思う人物が多数紛れ込んでいます。彼らが堂々と商売出来るようになってしまうとは・・・
観光業には近頃残念なことが多いです。
追伸、
拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
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