最先端
我が義塾の雑誌『三田評論』に知人のソースメーカーさんが寄稿しているのを発見しました。
その方は「トリイソース」の鳥居さんとおっしゃって、浜松市で、昔ながらの製法を用いて造っておられます。
鳥居さんとは向笠千恵子先生の主宰する「こめみそしょうゆアカデミー」で知り合い、同窓ということもあって、FB友達などにも成っておりましたが、その方が「塾員クロスワード」のコーナーに寄稿しておられました。最近御活躍の卒業生を紹介するコーナーです。
さて、トリイさんのソース造りについて詳しくはトリイソースさんの公式サイトを開けていただきたいと思います。
・ソースに日本独自の旨味を加えるべく、出汁を自社で獲っている件、
・さらに野菜の旨味も質の高いものを加えるべく、やはり自社で、低温でじっくり煮ている件、
・旨味と合わせる酢も自家醸造している件、
・出来上がった生ソースを杉桶に入れて熟成させている件、
その他にも地域社会との関わりなど興味深いネタがたくさん在るのですが、それはトリイソースさんの公式サイトを開けていただきたいと思います。
ここで紹介いたしたいのは、
「周回遅れによる、時代の先端」という鳥居さんの考え方です。
鳥居さん曰く、
「・・・日本ではロボットなどを用いた人間を介さない製造か、手づくりにとことんこだわった製造かのどちらかだけが残っていくように思われます。後者を選ぶ自分には自ずと規模の利益を追求しない覚悟が求められます。」
明確ですねえ。
鳥居さんは、私と違って経済学をかなり深く学んだ方らしいですが、そのせいか明確です。
結果「周回遅れによる、時代の先端」がたしかに、本当に起きていると思います。
実際日本のソースは、イギリスのウスターソースとは「別物」と言って良いくらい違っているのですが、日本で独自に発展して食卓に存在しています。
日本のメーカーさんが手造りしながら試行錯誤し、独自のソースを創り上げてきたのに対し、本家は決められたレシピを使って大規模にドーンと造るので、違いが出て来たのです。
さらにまた日本のソースは地域の味と結びついて変容することで、世界に二つと無い存在にも成り得ています。
先端ですねえ。
周回遅れで先端、日本人って、何故か、こういう仕事が好きなようです。
追伸
すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。
すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。
ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。
どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。
投稿〆切は9月末日です。
既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.961日連続更新を達成しました。
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