閉鎖的

資本主義のダイナミズムの源泉は我欲です。

それを肯定し、活かさないことにはソ連のような社会に成ってしまいます。

だから、この世の中で儲けようと努力することが否定されてはなりません。

しかしです、それは時と場合によると思います。

東京に今年一番の大雪が降った日のこと。

雪は未明から降り出し、都心で5cmほどの積雪を記録しましたが、浅草は日本一の観光地ですので、こういう日でもご観光のお客様が見えていました。

そのお客様を相手に、人力車の車夫達が執拗に、イヤ、熱心に客引きをしていました。

雪が積もった分だけ、人が通行できる面積は狭くなります。その狭い面積を彼らが占有するので、お客様が通行できる面積は、さらに、狭くなりました。

同じ頃、和菓子「舟和」の若い娘たちは、御店の裏通りの雪掻きしていました。

裏通りの方が、人通りが少ない分だけ積り易く、また日当たりが良くない分だけ、積もった雪が融けにくいものです。裏通りこそ、雪掻きすべきなのです。

私は人力の諸君を問い詰めたくなりました。

今は客引きする時なのか?

雪掻きする時ではないのか?

・・・こういうことを言うから、

浅草の社会は「閉鎖的」だと言われます。

ふん。

閉鎖的上等。

追伸

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.797日連続更新を達成しました。

 

Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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