畜産試験場
<訂正とお詫び>
弊ブログの連続更新日数の計算を誤っていました。
4/14が1.500日と思っておりましたが、4/8に既に1.500日に成っていたようです。訂正いたします。1.500日目を楽しみにして下さっていた皆さん、スミマセン!
<ここからが今日のブログです>
肉の勉強のため、山形県畜産試験場に行ってきました。
この試験場の先生が発表されている論文を読んでおりましたら、その、肉についてのお考えが、私にかなり近いと思われましたので、一度お訪ねしたい、と思っておりました。
そうしましたら、弊社の取引先「山形アマイ牧場」の場長さんが、その先生と面識がおありだ、と言います。で、春を待ってお訪ねすることにしました。
さて試験場は、てっきり山形市に在るのかと思っておりましたら、新庄市に在りました。そう、山形新幹線の終点の駅です。
結構遠かったです、ハッキリ申して。東京では桜が散ったと言うのに、新庄では未だ雪が積もっていました。でも、来た甲斐はありました。
先生のプレゼンの主題の「おいしさへの努力が報われる社会に」という一文を読んだだけで、軽く泣けてきました。
そう、牛の業界って、本来であるはずのこの主題から乖離した方向へ動くことが実に多いんですよ、実に。
県によっては、肉の実態が相も変わらぬ霜降り信仰一辺倒・見栄え至上主義なのに、それに広報予算をドボドボ注ぎ込んで、なんとか有名に成ってやろう!ブランド化してやろう!と目論んでいる所がまだまだあります。
しかし山形は、やはり違いました。良かったです。
では、そもそも肉のおいしさとは何か?
ということですが、現在未だ探求し切れていません。
ここ10年ほど脂肪の中のオレイン酸の割合に興味が集まっていて、たしかにオレイン酸が多いと、脂の融けが速くて、舌に甘味を感じさせ、なおかつ食後にモタレない、ということは言えそうです。
でも、オレイン酸一辺倒というのもあまり良くはないようです。
人間の味覚は複雑で、もっと微量の要素も捉えているのではないか、だからもっと総合的に味覚を考えないといけない、というのが最新の見解のようでした。
例えば、肉の中の糖質=グリコーゲンは量が少ないので、従来は研究課題から外されてきましたが、実は結構おいしさに影響を与えるているのでは、という研究がなされているようです。
肉を熟成させていると、分子の大きいタンパク質が分子の小さいアミノ酸に成るだけでなく、やはり分子が大きい糖質のグリコーゲンが分子の小さいグルコース (glucose) に成るそうです。
グルコースは別名ブドウ糖。代表的な糖ですね。
分子が大きい物質は味がしませんが、分子が小さいグルコースが出来て味覚を刺激していると考えられます。
熟成させる、というおいしさへの努力が、ここでまた根拠づけられました。
今後は、どの位の期間熟成させると、どの位グルコースが増えるのか、といった研究が期待されます。
ともあれ、「おいしさへの努力が報われる社会に」は、大大賛成です。
そういう社会にしていきたいと思います、心から。
追伸
JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号
「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.506日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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